奇妙な現象は現実に起こる
投稿者:きぃ (4)
私が実際に経験した話です。
転勤で某県に引っ越したときのこと。
新居は会社が契約してくれた比較的綺麗なワンルームマンションでした。
オートロックもあり、とても快適な生活が送れそうだと思っていた矢先です。
引っ越してほんの数日後、ベッドで寝ていたのですが、ふと目を覚ますと体が動きません。
金縛りです。
私は金縛りが科学的に疲労などから起こると聞いたことがあったので、「ああ、引っ越しやら新しい仕事で疲れが溜まっているのかな」と思い、そのときは大して気にしていませんでした。
しかし、その後もたびたび金縛りに襲われる夜がありました。
ときには目を開くこともできず、掛布団の上を何かが這いずりまわるような感触に襲われたこともあります。
さすがに気味が悪く思いましたが、相変わらず金縛りは心霊現象とは無関係と思い込んで過ごしていました。
さらに数日後、決定的なことが起きました。
夜中にガチャンという音がして目が覚め、そして金縛りに遭っていることに気づきました。
なんとか目を開けるとカーテンの隙間から零れた街灯の明かりの中、ちょうど私のお腹の上あたりに何か物影がありました。
さらにお腹にはしっかりとした重さを感じます。
なんだろう、とよく見るとそれはおかっぱ頭の小学生ぐらいの女の子でした。
もちろんそんな同居人はいませんし、戸締りもきちんとしていたはずです。
あまりの驚きと恐怖に私は茫然とその様を見ていることしかできません。
するとその女の子と目が合ったような気がしました。
途端に視界が遮られました。
布団を頭まで掛けられたのです。
もちろん金縛りに遭っているので自分でやったことではありません。
そしてまたお腹の上でもぞもぞと何かが這いずりまわる感触がし、恐怖の中私は気を失ったのか、次に気が付くと朝になっていました。
金縛りもありません。
あまりにもはっきりとした気味の悪い夢を見たと、そのときは思いました。
しかし、水を飲もうとキッチンに行くと、あれは現実に起きたことだと思い知らされました。
棚から電気ケトルが落ちていたのです。
扉のついた棚の中から、です。
夜中、私の目を覚ました音の正体でした。
後日談として、会社の人事と組合を巻き込んだ結果、会社に新しい部屋を契約してもらい、奇妙な現象から解放されたことを付け加えておきます。
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