ケーキを作る女性
投稿者:MERRY (11)
短編
2022/03/15
07:49
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ケーキ屋さんでのアルバイトをしていたときの話しです。
私は、販売でケーキを売っていました。
ガラス越しにケーキを作っている人が見えます。
ドアのすぐ隣で女の人がケーキを作っているのですが、昼ご飯で出会ったことがありません。
私は、ケーキ屋さんに来て間もなかったので、そのうち会うだろうと思っていました。
夜帰るときに更衣室でみんな帰るよと声がかかって、あの人は?と私は、その人の存在を口に出してしまったのです。すると、え?みんないてるよと言われ、私は不思議に思いました。
私には見えていた、いつも昼ごはんも食べずにずっとケーキを作っていた人が、次の日いなくなったのです。
そうして、その場所でケーキを作っているのは今日から入って来た新人の女の子でした。
私は、その人の存在をみんなに言ってしまったから、消えてしまったんだと思いました。
その人は幽霊だったのです。
私は、普通に見えているので幽霊だと気がつかないことがよくあります。
新人の女の子の父親はお坊さんらしくお経を毎日唱えていると聞きました。
きっと、そのお坊さんの子が、供養しているのかと納得しました。
私は、いつもガラス越しに見ていて一生懸命お昼ごはんもとらずにケーキを作っていた女の人の顔は覚えていますし、それ以来、いっさい見なくなりました。
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