隠しリンクの先の「絵画展」

俺はスマホを棚に戻し、脱力しきったように仰向けに寝転ぶ。

無意識にカーテンレールから視線をずらし、何もない天井板を見つめる。

あのサイトはなんだったのだろうか。
あの夢の世界、「絵画展」とはなんだったのだろうか。

少なくともあのサイトの動画の男のように、俺も顔が崩壊するレベルの事故に遭い、結果的に自ら選択した部位を失ったようなものだ。

額縁に閉じ込められたのはなんだったのか。
最後はおっさんと入れ替わるようにして脱出できたが、あのおっさんはどうなったのだろう。

俺が男と入れ替わり閉じ込められたように、あのおっさんも顔を選択したことで顔面に怪我を負い、その後同じように閲覧した誰かと入れ替わるのだろうか？

夢か現か、境の曖昧な記憶に酔いしれそうになるが、結局は夢は夢。

奇妙な巡り合わせが偶々悪夢となって夢に見た、そう思っている。

ただ、あの絵画展に飾られた人体の部位の一つ一つが俺のような境遇の持ち主とするならば、今も入れ替りを探すため、どこかのサイトに隠しリンクが掲載されているのかもしれない。

夢の世界へ飛ばす隠しリンクが。

そして、今も誰かが入れ替りを求め、額縁の中で呻いていることだろう。

俺にはもう関係ない話だが。