別れ道

A「せっかくだから昨日と同じ道を通らない？」
私「別にいいよ」

Aの提案で昨日と同じ道を通ることに決めました。
そしてほどなくして昨日通った狭い道にたどり着きました。

A「灯りも全くないし暗いね」
私「これ車のライト消したら真っ暗になるな」

A「そうだ、怖い話しようぜ」
私「ここで？」

A「うん、めっちゃ雰囲気出て怖そうだし」
私「車停めて話す？」

A「どうせ他の車なんてこないしゆっくり走りながらでいいんじゃない？」
私「OK」

A「さらにライトを下目にすればもうちょい暗くなる」
私「こえーよ」

ここでどんな話をしたかは忘れましたが、時速20kmも出ていないくらいのスピードで走りながらライトを下目にしてお互い怖い話をしたのを覚えています。
怖い話が苦手というわけではなかったのですが、周りの環境もあいまってすごくびびっていました。
いくつか話をし、そのまま走っているとT字路にたどり着きました。

A「お、T字路だ」
私「ホントだ」

A「昨日は左に曲がったよな」

私「覚えてないけど、分かれ道は全部左に曲がったはずだからそうだと思うよ」

A「じゃあ左行くぜ」
私「・・・そういえばそろそろ教会があるよな」

A「多分そうだな、カーナビは相変わらず海の中を走っているからよく分らんけど」
私「ここを左に行くと教会を通るってことだよな」

A「おそらく」
私「・・・よし、右に行こう」

A「せっかくだし左いこーぜ」
私「夜の教会はさすがに怖いって、墓地とかあったし」

A「うーん、しゃーない右にしてやるか」
私「よっしゃ」