予知夢のおかげで
投稿者:ぴ (414)
朝、職場から父に電話が何度もかかってきたりするのを見ても、いやいやただの偶然だろうと思いました。
夢通りの順番に兄、父が出かけたときも。
しかし、いつもの時間よりもぜんぜん早く出かけようとする姉に、「ちょっと早くない?」とついぽろっと出てしまった言葉に対して、姉が「今日早出だから」と言った瞬間に、ザーッと血の気が引きました。
あの夢のまんまの会話に、思わずひゅっと息が漏れました。
私はその日、洗い物をする母に「行ってきまーす」を言わないで出てきてしまいました。
なんだか夢と同じことをするのが怖かったからです。母は私が学校に行ったことにも気づかなかったかもしれません。
私は出かけて、ちょっとだけ後悔しました。そ
れっきりになってしまったらどうしようという恐怖をわずかに感じました。
いつもどおり自転車で自宅を出て、そして自分の自転車をまじまじと見つめます。
あの夢も自転車で事故に遭いました。なんだか見ているとだんだん怖くなってきました。
私は学校にやってきて、そこで「あっ」と気が付きました。
夢と合致している朝に動揺して、お弁当を忘れてきてしまったのです。
そんなつもりはなかったのに、あの夢と同じ状況になりました。
じわじわと恐怖に襲われました。
お昼になってお弁当を忘れたことを友達に言うと、「じゃあ売店に行こう」と誘われました。
ぞっとしました。私は動揺して、「朝がっつり焼肉だったから今日は食べない」と言いました。
友達は「食べないで大丈夫?」と心配しながら、一人で売店に行きました。
そして買ってきたのは「カレーパン」です。しかも、私の分までついでに買ってきてくれて、おごってくれるとまで。
そんな優しい友人の行動に拒否しきれずに、結局お昼はカレーパンを食べてしまいました。
まるで夢をなぞるように強要されているみたいで、すごく不安になりました。
私はその日の午後の授業を緊張した面持ちで受けました。
このまま時が進めばあの瞬間がやってきます。どうしたらいいのかもうパニックになっていました。
放課後、案の定友達から買い物行こっと誘われました。
私はこの言葉が死刑宣告みたいに聞こえました。
私は夢をどうにかして変えたくて、「ごめん今日は予定入ってるから」と断わったのです。
当然その言葉はまったくのウソで、予定なんて何もなかったですが、夢と同じような行動はなるべくしたくなかったのです。
私はなるべく下校時間を遅らせる努力をしました。授業が終わったのに珍しく帰ろうとしない私に、よく知っている友達は不思議がっていました。
ひたすらクラスに残っているいつもなら話しかけないような友達にすら話しかけて、私はどうにか帰る時間を遅らせました。
その最中にさらなる恐怖に震えたのは、学校の窓から泣きながら横切っていくあの女子生徒を見たからです。
あの日見た告白してフラれた生徒が走り抜けていく様子を目撃しました。
そして、そのあと気まずそうにそそくさ帰っていく男子生徒も。
私はそれを見て、夢と同じことが現実に起こっているかもしれないというのが確信に変わりました。
正夢は回避できるのか。面白い