天井からこんばんは
投稿者:ぞい (15)
昔勤めていた病院での話なんですがね。
子供が産まれたんで、お金を稼ごうとして夜勤ばかり入れていたんです。
月に10回以上。夜勤、夜勤明け、夜勤って感じでした。
その病院は色々噂が絶えない病院で、「あそこに入院したら出てこれない」つまり、「入院したら退院するのは亡くなった時」と言われてました。
それは、他に入院出来ない人が入るような病院で、ガン末期の人が入院する所という意味もあったんです。
でも他にもそう言われる理由があったんですよね。
その日の夜勤は穏やかな夜勤で、特に問題もなく過ごして、夜中の3時に記録が書けるような日でした。
夜勤が続いていて、日中も子供の世話であまり眠れなかったせいもあって、少し仮眠を取ろうとテーブルにうつ伏せになろうとした時に、目の前に黒いものが降って来たんです。
驚いて上を見ると、ナースステーションの天井から、長い髪の女性が逆さまにぶら下がってるのが見えました。
黒いのがその髪だと気づきました。
その女性が「ばあ」って言ったような気がして驚くというより笑いたくなりました。
その出来事は一瞬の事でしたが、すっかり眠気が飛んだので、仮眠も取らずにその後も業務を進めて夜勤が終わりました。
夜勤明けの申し送りが終わってから、日勤の看護師に「そう言えばこんな事あってね」と逆さまの女性の話をしました。
「もしかして、ここで飛び降り事故ありました?」
って冗談交じりに言ったら、同僚が、「それ、言わない方がいいよ」と真顔で言われました。
次の夜勤入りの時に、突然院長に呼ばれて、「お前頑張ってるからな!」と封筒を渡されました。
現金が結構入ってたんですよ。
あれは、口止め料かなと思ってます。
20年前なんで、時効ですよね?
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