あるキャンプ場の吊り橋で
投稿者:お久 (3)
これは私が大学生の時に所属していた部活でキャンプに行った時のお話です。
季節はちょうどゴールデンウィーク明けの少し暑くなってきた時期でした。
夜の宴も盛り上がり、みんなで肝試しをしようという事になりました。
そこのキャンプ場は広く、子供も楽しめるキャンプ場となっており、アスレチックや吊り橋、神社というよりも少し小さな祠がある大きな公園でした。
肝試しのコースは今宴をしている場所よりアスレチックを通り、吊り橋を渡り、祠に置いてあるアイテムを取って終了という内容でした。
アイテムを取りに行く班とその道中で隠れておどかす班、2班に分かれました。
私はおどかす班の一員となり、仲の良かった同期とどこに隠れるか酔っぱらいながらも打ち合わせを行いました。
同期は吊り橋を渡り終わったところに隠れて、おどかし、
私は小さな祠に置いてあるアイテムの近くの茂みに隠れて、ペットボトルに入れた水をかけるという役割分担となりました。
吊り橋~小さな祠までは1本道となっており、周りも静かな為、同期がおどかした声が合図となり、
私が祠の前で構えるという酔っぱらいながらも綿密な打ち合わせを行い、肝試しはスタートとなりました。
宴をしていた場所~吊り橋を渡り終わるところまで約10分~15分ほどだったので、少し待たなければなりませんでした。
梅雨前ということもあり、少しジメジメした汗ばむ季節、おどかし役という事もあり、
茂みに隠れながらドキドキした気持ちで今か今かと待ち構えておりました。
吊り橋を渡り終わった部員を待ち構えている同期が「わー!」と言っておどかし、
その合図を元に、祠前のアイテムを取る瞬間の部員に水をかけ、おどかす。という単調ではあるが、
毎回違う部員の反応を楽しみながら、肝試しのおどかし役を楽しんでおりました。
肝試しも終盤になった頃、同期が「わー!」というおどかす声が聞こえたので、今か今かと待ち構えておりましたが、なかなか部員が来ませんでした。
「なんだ。あいつも俺をだます為に、嘘をついたのか。」とその時は軽く思い、肝試しは終了。
改めて飲みなおすこととなりました。
同期に「そういえば、お前最後の方で俺をだましただろ!」と話したところ、
同期が不思議な事を言いました。
「いや、おれも部員かと思って、おどかしたんだけど、知らない男の人だったんだよ。
しかも、その男の人、全然驚きもしないで、こっちも向かず、祠の方に向かって行ったんだよ。」
「いや、そんな人いなかったけど・・・??」
次の日に帰りの電車の中で改めて不思議になった同期がキャンプ場の名前と吊り橋を調べたところ、
キャンプ場内にある木で首つり自殺をした男性の霊が吊り橋付近で現れるという記事がありました。
その時は酔っぱらっていたので、見間違えだったのか、本当に男性の霊だったのか、今もわからないままです。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。