亡くなった患者からの枕灯の交換依頼
投稿者:ジュリー (62)
昔、某市民病院で設備管理職をしていた時の話です。
深夜、仮眠中に電話が鳴り、枕灯が切れたので交換して欲しいと連絡がありました。
消灯時間過ぎのこんな夜中に交換することもないだろうと思いましたが、至急交換して欲しいとの事で、眠い目を擦って部屋に向かいました。
部屋に着くとなぜか明かりがついており、部屋に入ると医師や看護師がベッドを囲んでおり、私を見た途端に慌ててベッドに寝ていた患者に頭までシーツを被せました。
嫌な予感はしましたが、私は無言で枕灯の交換をしました。
なぜか枕灯の蛍光灯が外れませんし、数十センチ下には、シーツを被ってる患者の顔。
汗まみれで作業するが、なぜか蛍光灯が外れません。結局5分ぐらい頑張ったが外せず、「交換は明日にします。」と医者に伝えて部屋を出ようとすると、
患者の家族が走りこんできて「お母さん!」とベッドの患者に泣きつきました。
「部屋の明かりがあるんだから、枕灯なんて別に今交換することないだろ!なんて無神経な医者だ。」とブツブツ独り言を言いながら部屋に戻る際、ふと。
「あれ?医者だったか?」と思いました。
しわがれたような老人の声。電話で聞いた時には眠さもあり、何も思いませんでした。
駆けつけた家族の顔、「お母さん」という声がフラッシュバック。もしかしてあの時の電話は、患者本人?
急にさっきまでのイラつきが消え、恐怖心が私を襲いました。
ハッキリした口調で訴えかけるように枕灯の交換を依頼する老婆の声。
亡くなった患者からの依頼だったと確信したのと同時に、なぜ枕灯を必要としていたのかが分かりません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。