すりガラス越しに見えた白い手
投稿者:3PM (3)
私が小学校1年生ぐらいの時の話です。
うちの家は古い建物だったため、全体的にほぼ全ての部屋が引き戸、ふすま形式でした。その中で台所、リビング、リビングに隣り合わせた子供部屋(私と兄の二部屋)はすりガラス状の引き戸で区切られており、明るい時、灯りがついている時は部屋の様子がある程度分かるような感じになっていました。ただ、電気を消してしまうと当たり前ですが何も見えず、部屋に誰かいるのかいないのか判断できません。
ある夜、私と母がリビングでテレビを見ていると、既に灯りの消えた兄の部屋のすりガラスの向こうで、妙に白い手がぼんやりと見えました。手は少しうろうろと動いた後、すっと見えなくなったのですが、兄が寝入りばなに何か思い出して学校の支度でもしていたのだと思った私は、(お兄ちゃん、あんなに手の色白かったかなあ??)と呑気に思って、そのままテレビ鑑賞に戻りました。
すると20分後ぐらいに父親とともに兄が帰宅したのです。私はてっきり兄はもう自分の部屋で寝ていたものだと思っていたのですが、ずっと父親と親戚のところへ行っていたと説明され、じゃああの手は誰……???と大慌てで両親と兄に説明しましたが、見間違い、勘違いと一蹴され、挙句の果てに「怖い事言うな!」と兄に殴られて終わるという顛末です。それからしばらくは怖すぎて、兄の部屋と隣接してる自分の部屋で寝ることもできず、無理やり両親の布団にもぐりこんで過ごしていました。
その白い手は一度見たきりで、それにまつわる恐怖体験等も別にないのですが、今思っても一体誰の手だったのか不思議でなりません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。