私が『そういうもの』を信じるようになった日

私が専門学校に入学して人生で初めて寮生活というものを経験していた時の話

男子寮で3階建ての横に広ーい築６０年くらいの木造の古い建物だった

建物の見た目とか全然気にしてなくて、ただそれよりも上手くやっているかとか新しい土地で1人で暮らしていくっていう不安に駆られててそんなの気にする余裕なかったんだよね。

でもね　男子寮って凄くて400人以上住んでるんだけど1か月もあればそこのほぼ全員と自然と友達になれんの(笑)　　何なんだろうねあれ？

で寮生活も慣れて半年くらいしてからかな　
わたしは三階建ての2階、廊下のほぼ突き当りの方に自分の部屋があるんだけど、時々上の階から「ｷﾞｨｨｨｨ･･･」「ｷﾞｨｨｨｨ･･･」って木造のドアが開閉する音が30分以上聞こえることがあって、上の階で誰かがドアで遊んでるんだろうと思っててうるさかったけど上の階は殆ど先輩たちが住んでるしあまり揉め事とか起こしたくなくて最初は我慢してたんだけど、いい加減半年も住んでればそんなこともどうでもよくなって上の階に文句つけに行こうと思って自分の真上の部屋に行ったんだよね。

食堂もお風呂場も洗濯機も全部1階にあるから他人の部屋しか並んでない3階には、初めてあがってね。

階段を2段とばしに上がって着いた瞬間に「シーン…」としてて、勢いよく上がってきたもんだからビビって辞めたのかなと思っちゃったからちょっとだけ調子づいちゃってて
自分が206号室だったから３０６号室に向かって歩いてて、でも間違ったら申し訳ないから自分の部屋の隣がトイレだから3階のトイレの隣が自分の部屋の真上だって考えてて

遂にその部屋の前にきて、すぐノックしたんだよね。　でも出てこなくてチャイムも鳴らすんだけど何か妙に音が響くんですよ。

で1分くらいして気づいたんですけど。　そこ空き部屋だったんですね。あ間違えたと思って、その隣。その向い側。空き部屋でね。
ここですぐ部屋に戻ればよかったんですよ。　違和感を感じてその階の住んでる人捜して3階を端から端までネームプレートを確認すると3階には誰も住んでなかったんですね。

でちょっと怖くなりましてすぐ自分の部屋に戻ったんですが、何かコレに気付いてから次々と変なことが起こるようになって。

夜中に部屋の外廊下を「ｼｬｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ」っと滑る音が聞こえたと思ったら突然「ﾊﾞｱﾝ！」と玄関に強くぶつかってきて、そのあまりの音に自分の周りに住んでる部屋の人たちも全員出てきて確認したんですが特にそれほど大きなものも落ちてなくて、ほとんど部屋に戻ったころに、私の押してあげたドアに何か四角い木片が落ちてて、その木片はプレートのようなものだったようで「寮長」と書かれてました。
多分この建物の備品かなと思い玄関の脇にある小窓から管理人のおじさんに届けると「懐かしいな　20年くらい前まで使ってたネームプレートだねぇ」「どこにあったの？」

と聞かれました。私は「誰かがいたずらで私の部屋のドアに投げつけてきたんですよ」と説明してその場をあとにした。

それ以外にも些細ないたずらのような事が度々起きてましたが、その中でも1番困ったのが私がトイレの個室でウンコすると電気が消える

いや笑い話じゃないんですよ。　必ずですよ１００％の電気が消されるんです。　最初の数十回はいたずらだと思いました。　　でも考えてみるとおかしいんですよ。

夜、20時頃ならみんな起きてるだろうし、いたずらもできるでしょうけど。　これが深夜の3時・・・朝の５時・・・でも起こるんです。　　

明らかにおかしいとは思いつつも私は幽霊を全く信じていないどころか小ばかにすらしていたので、絶対犯人を捕まえてやると思ってトイレの個室でただ座って電気が消えた瞬間に個室のドアを蹴飛ばして追いかけてやろうと思ったんですね。

もう何十回もやられてるから見えなくても、廊下とトイレをつなぐドアが開けば若干光の具合や空気感がかわるのがわかる気がしてて、「くる！」って思った瞬間に予想通り「ﾊﾟﾁﾝ」と電気が消えて、コンマ０．５秒もかからずに個室のドアを蹴飛ばして出るとそこにはやっぱり誰もいなかったんですね。

もしも仮に電気を消した犯人が音もなくドアを閉めたことも考えすぐ廊下に出ても「シーン・・・」としてて逃げていく足音も聞こえなかった。

さすがに怖くなりましてね。自分の部屋の近所に住んでる友達を集めて相談すると全員からバカにされましたが暇つぶしくらいにはなると思われたのか協力してくれることになりました。

それは私がトイレに入るからそこから出てくるまでを携帯で録画して欲しいと友達にお願いして実際にやってみました。
すると電気はいつも通りに消えて、トイレの外では友達の悲鳴と走り去っていく音が聞こえ私もトイレから出ていくと幸い携帯のカメラは地面に置かれたまま、録画は成功していました。

トイレの電気はドアが開く事もなく自然と消され友人たちの悲鳴のあと私がトイレから出てくる映像をとらえていました。　

もしかするとワンチャン私がみんなを騙して中で普通に電気を消したのではないかと思うかもしれないが、トイレの出入り口には大きめのすりガラスが付いていて人が立てばわかるようになっているのだ。　それでも這ってスイッチに近づけばできるかもしれないがここでは信じてほしい。

そしてその日の夜。　私は不思議な経験をした。