病院の水道と、不思議な虹
投稿者:ほみ (2)
その時駆けつけたのは、私たち家族と、叔母です。
その後のことは上手に言葉にできませんが、色々な手続きや電話対応は父親がしてくれていました。
葬儀場の慰安室のようなところに運ばれて、私は冷たくなった母と一緒に寝泊まりしたんです。
(その時他の家族は帰っており、母と私だけでした。)
私は母をどうしても1人にしたくなかったんです。
そして私も、少しでも一緒の空間に居たかった。
本当に眠っているようでした。
きっと話しかけたら聞こえているんだろうな。という
私の中で妙な確信があったほどに。
次の日、家族が来て、葬儀の人と様々な打ち合わせをしました。その後、皆んなで一度家に帰らなければならないという話になり、(ペットも飼っていたし、シャワーも浴びたかったし、持ってこなければならないものがたくさんあったので。)皆で一度帰ることになりました。
私は正直、お母さんを1人にしたくなかった。
なのでギリギリまで考えました。時間をずらして後で家に帰ろうか。どうしようか。
ですが結局、全員で家に帰ったほうが都合が良く、お母さんを1人置いて、皆んなで家に帰ってしまったのです。
また用事を済ませてすぐ戻ってくるねと言いながら。
家に帰る途中で雨が降ってきました。
きっと涙雨だなぁ。1人で置いてけぼりにしたから、寂しがってるのかなぁ。ごめんね。お母さん。と私は1人考えていました。
すると、家に帰る頃には雨は止みました。
私は実家の近くに一人暮らしをしていたので、一度帰ってやるべき事をやって、そのあとまた実家に行きました。
実家の玄関を開ける時、太陽がピカッと私の頬を照らしました。
その時、私は「虹が出る!」と直感的に感じたのです。そのまま他のことには目も暮れず2階のベランダに直行し、虹を探しました。
その時虹はありませんでした。
ですが、私はそこから動かず、ずっと空を見ていました。
すると、みるみるうちに虹が浮かび上がってくるのです。
私は家族に、「みんな!虹が出たよ!!」
と呼びかけ、家族全員で虹を眺めました。
すると、虹はどんどん大きくなって、しまいには二重の、
ダブルレインボーになっていったのです。
まるでオーロラのように大きな虹は、ちょうどうちのベランダから、端から端まで見えました。私はこんなに大きな虹を人生で見たことがありませんでした。
他の家族が部屋に戻ってからも、私はベランダから離れず、虹がなくなるまで見ていました。
葬儀場から家に戻るタイミングが10分でもズレてたら、この虹は見れなかったし、誰かが交代でお母さんを見守っていたら、家族全員で虹を見ることはできませんでした。
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