人事担当が従業員の相談を受けていたところ・・・

以前、会社の人事担当をしていた知人から聞いた話です。
個人情報を含むため多少のフェイクを混ぜておりますのでご理解ください。

その会社では従業員の相談窓口的な部署を人事担当が担っていました。
上司からのパワハラ事案やセクハラ事案といったものから、だれだれのことが気に入らないといった小さなものまで幅広く相談がありました。

そんな中、一人の女性従業員が神妙な面持ちで相談にやってきました。
彼女は話しにくそうに「家庭の事情で仕事に集中できないのです」と言いました。

言いにくそうな彼女から何とか話を聞き出すと、両親の嫌がらせがひどくそれが原因で不眠症になり、仕事中に集中力が続かずミスを連発するようになってしまった。
会社に迷惑をかけているのがとても辛い、ということでした。
最終的には泣き出してしまい、その日は話を聞くだけしかできませんでした。

人事の上司とも相談しましたが、家庭内の問題については会社として踏み入ることはできない、といった結論に至りました。

しかし、彼女からの相談を拒否することも難しいのでその後も話を聞いては、当たり障りないアドバイスをするといった日々が続きました。

彼女の部署にも確認したところ、確かにミスが多くなっているとのことでした。
そのミスの中には「ミス」といった言葉では済まされないレベルのものもあり、これは対策を取らねばということになりました。

彼女の両親から受ける嫌がらせについては聞けば聞くほど酷いものだったため、その両親の精神の異常さが気になり彼女の身の安全を心配するほどでした。
ですので、会社の産業医に相談することにしました。

早速、産業医と日程を合わせ彼女と面談してもらい、彼女の両親に対してどう対応したら良いか相談しようとしました。

彼女との面談を終えた産業医は「彼女のいないところで・・・」と言って、彼女なしで話を聞いたところ「彼女は精神疾患を患っている。」ということでした。
その後、調べてみたところ彼女の両親は既に他界していてもちろん同居もしておらず一人暮らしでした。

その人事担当の知人からこの話を聞いて怖い、といか気味の悪さを感じた経験でした。
普通ではない思考の人間に対して言葉では言い表せられない気持ちになりました。