走り屋の友人に訪れた恐怖の実話
投稿者:ファンタジスタ (10)
これは私が古くから付き合いのある友人から聞いた話です。その友人は昔から車に興味がありました。また、地元では女癖が悪いと評判でした。
中学卒業後、しばらく連絡を取っていなかったのですが、先日久しぶりに連絡があり、車を買ったとの事。後日会うことになりました。
当日、友人に会うとまず、タイヤを交換したいから手伝ってくれとのこと。
2人がかりで専門の工具を使い、古いタイヤを取り外し新しいタイヤに交換しました。
そうこうしているうちに、夜になってしまい、せっかくだし友人の車に乗せてもらいどこに行くと言う話になりました。
友人が近くの峠を走りに行かないかと提案しました。
そこは近場では有名な峠で、いつも数台の車が法定速度の2倍以上のスピードで爆音を響かせながら走っています。
峠に着いたのですが、その日は珍しく車が私たち以外1台も走っていませんでした。
不思議に思った友人と私でしたが、空いていることをいい事に友人は峠を猛スピードで、後輪を滑らせながら車を走らせました。
私は峠を攻めている車は見たことがあるのですが、乗ったことは初めてでした。
助手席でガードレールにすっ飛んで行く恐怖に叫び声をあげることしか出来ませんでした。
友人にとってはいつも走りなれている道なのですが、その日は何やら雰囲気が違うらしく、私に集中出来ないから静かにしていてくれと言いました。
そう言いながらカーブを曲がった次の瞬間、ガコン!という大きな音と共に、車はコントロールを失い、横向きに滑っていきました。
友人は慌ててカーブを曲がりきろうとするのですが、前タイヤの締め付けが悪かったのでしょうか、左前方のタイヤの取れた車は舵を切ることが出来ません。車はそのまま火花を散らしながら、ガードレールに突っ込んで行きました。
その後は救急車を呼ぶなり、警察、レッカー車、親への連絡、に追われ帰宅できるようになったのは翌日の夜。
ハンドルを改造し、エアバックが作動しなかった友人は脊椎を痛め、全身むち打ち状態になってしまい入院することに。私には不思議なことに大した怪我はなく、入院せず帰宅することになりました。
帰宅すると直ぐに友人の番号から電話がかかってきました。
何事かと思い、急いで電話にでると声を震わせている友人。
どうしたんだと問い詰めると、どうやら友人には1年前まで付き合っていた彼女がいたそうです。
女癖の悪かった友人は浮気をしてしまい、それが原因で別れてしまったそうです。
別れてから数日経ったある日、その彼女が事故で死亡したという連絡がありました。
歩道にのりあげてきたトラックに跳ねられてしまったそうです。友人はショックだったものの、半年も経てば忘れてしまったそうです。
そして今日、病院のベッドで横になりながらSNSを見ていると、友人の友達が事故死した彼女を弔う内容の投稿を上げていました。
昨日、つまり峠で交通事故を起こした日がその彼女の命日だったのです。
つい最近、本当にあった話です。
これは良い怪談