暗いモヤモヤした人影のようなもの

私が小学校低学年の時の話です。

私は家族4人で、畳の上に布団をひいて皆で並んで寝ていました。

その日は早く寝たこともあり、夜中に目が覚めてしまいました。

時間は夜2時くらいだったと記憶していますが、ハッキリとした時間は分かりません。

家族もみんな寝ていて、部屋のオレンジの光だけが唯一の明かりでした。

起きる前に怖い夢を見ていて、急に目が覚めて心臓がドキドキしていました。

隣には母が寝ていたのですが、悪夢を見たことで怖くなり、母にもっと近づいて寝ようと考えました。

隣で寝ているとはいえ少し距離が離れていたので、近づこうと体を起こした時です。

ふと、足元に目がいきました。何故足元が気になったのかは今でも分からないのですが…。

その時、暗いモヤモヤした人の影のようなものが横切っていきました。

部屋は暗いはずなのに、その影は部屋の暗さよりもっと暗い、真っ黒という感じでよく見えました。

それから、真っ暗のもやもやの中に2つだけ白い、目のようのものが見えました。

今考えたら暗い中そんなものが見えるはずがありません。

私はその謎の黒いモヤモヤを見た瞬間身体が金縛りのように動かなくなってしまいました。

その黒い物体は私たちの足元を横切り、リビングの方から、押し入れの方にゆっくり歩いていきました。

そして、押し入れの手前で静かに消えていったのです。

その後やっと身体が動くようになった私は母の方に近づき、布団をかぶってただただ震えることしか出来なかったです。

しばらくその日は寝ることができませんでした。

その黒いモヤモヤを見たのはその日が最初で最後で、最初は夢だとも思ったのですが意識がはっきりしていたことやその後なかなか眠れなかったことから夢ではありません。

見間違いでは絶対にないと言いきれるくらいはっきり見えましたし記憶しています。

あれがなんだったのかは未だにわかっていません…。