鬼門と呼ばれる裏門
投稿者:トルマリン (5)
私は子供の頃から、不思議な体験をしてきました。
母から聞いた話なのですが、小さい時の私はよく誰もいない部屋の壁やトイレ、人の家の門などをじーっと見つめ、独り言のように話し始めたそうです。
そんな私を育ててきた母は最初は心配したものの、特に害はないことから段々と慣れていったそうです。
私が子供の頃に住んでいた家は大きな総合病院の真裏で、病院と家の間には道路が通っていて、救急車が通る道でした。
母とその通りを歩きながらよくお買い物に行ったそうです。
母と私が手を繋ぎ買い物へ向かっていると、突然私が母の手を引っ張って、「ママ危ないよ。」と言ったそうです。
母が「どうしたの?」と聞いたら、「おじさんがいたよ。」と。
母は誰もいないことを確認し、そのことを私に言ったのですが、私は「ぶつかるの。」と何度も言ったそうです。
それからもその通りを通るたびに、誰もいないところに手を振ったり、お辞儀したりしていたそうです。
母は少し怖くなり、おばあちゃんに相談したそうです。
おばあちゃんは癇の虫が強いから仕方ないことだよ。と。
確かに癇の虫が強く癇癪持ちだったので、よく泣いていました。
しかしそれが原因なのかはわかりません。
そんな私も小学生になり、そういう不思議な言動も減っていったそうです。
しかし、小学生の時の私は不思議な体験をしてもあまり口に出してはいけないような気がしていたので、言わなくなったのだと思います。
学校でそういう事を言うと怖がられ、友達も離れていってしまうと思っていました。
両親は信じてくれますが、何か不吉なことが家族に降り掛かったら嫌だと思っていたので、言いませんでした。
だから、母は不思議な言動を言わなくなったと思ったんだと思います。
大きくなるにつれて、その時その時の不思議な体験は良いもの悪いものと区別できるようになりました。
悪いものだと感じた時はなるべく近づくのをやめ、遠ざけるようにしました。
良いものは、そういう体験に出会ったこと、私のところに来てくれたことに感謝するようになりました。
しかし、悪いものを遠ざけようとしても出来ない場合もありました。
それは、小学校高学年の時です。
私の誕生日に家族や近所のお友達と誕生日会をしました。
私の家に集まりお祝いしてくれたのです。
誕生日会も終わりに近づいてきた頃、突然耳鳴りがしたんです。
耐え難い耳鳴りで、トイレへ駆け込みました。
しばらくすると耳鳴りは治まり、安堵していた時です。
何となく、気配を感じこれは良いものではないような気がしたので、トイレの中で見えない何かに話しかけました。
「ここはあなたの来るところじゃない。自分の居場所に帰ってほうがいい。」と。
しかし、中々その気配は消えず、付きまとわれているような感覚でした。
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