鬼門と呼ばれる裏門
投稿者:トルマリン (5)
このままずっとトイレにいるわけにも行かないので、ひとまず外へ出て友達と何事もなかったかのように話し、写真を撮ろうとなったのです。
何事もなく、友達と写真を撮りお開きになりました。
写真ができたら渡すね。などと会話しながら、友達を玄関の外まで見送ったのです。
手を振り見送ったあと、その気配の原因を知りたくなったのです。
私は周りを見渡し、どこから私を見ているのか探しました。
すると、病院の裏門が気になったのです。
そこは救急車が入っていく門ではなく、亡くなった人を乗せた車が通る門でした。
その門をじっと見つめていると、何か気配を感じるようになりました。
ここだ。と私は思い、母にちょっと出かけてくると言い、その門の方へを歩いていきました。
その気配は段々と強くなり、寒気がしてきたのです。
私は門の前に立ち、話しかけてみたのです。
「私に何をしてほしいの?気付いてほしいの?」
何の返答もないまま時間だけが過ぎました。
日も暮れてきた頃、母の私を呼ぶ声がしたのです。
家の窓から、その門が見えるので私がそこに立っているのに気付いたんだと思います。
私は母の声がする方を振り返り、帰ることを告げました。
その日の夜、眠りにつく頃また気配を感じたのです。
怖くなって目をつぶりお布団に潜りました。
そんな姿に気付いた母が心配そうに尋ねてきたんです。
「何か怖いものでも見た?夕方から変だよ。」と。
いつもは話さない私もさすがに怖くなったので、母に話すことにしたのです。
今日の出来事を母に話すと、母は私に言ったのです。
「子供の頃から、不思議な体験をしてきたよね。あなたがまだ小さかった頃…」と、小学校に上る前までのことをその時に聞いたのです。
母は私がそういう不思議な体験をしやすいのはきっと、あなたなら分かってくれると思ってるのかもしれない。と言いました。
亡くなった人たちは自分の存在に気付いてもらえず、悲しくて寂しい思いをしているのかもしれない。
あの裏門は昔で言う鬼門と呼ばれる方角で、悪いものの通り道なのだと思う。
だから、不思議な気配を感じやすいあなたに会いに来て、自分の存在を教えてるのかもしれないね。と。
私は変に納得して、今までの体験を思い出してみました。
確かに、悪いものだと感じても私に対して何か危害を加えたりしたことはなかったなと。
何か私に伝えたい事があるのだろうか…
でも、そんな会話が出来るわけでもないので、存在を知ってあげることしか出来ないな。と思ったんです。
私は気配を感じつつも眠りにつきました。
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