愛車からのテレパシー

もう１０年以上前の話です。大好きだったサーファーの彼氏にフラれてしまい、大好きな海にも自由に行けなくなってしまい、なんとか仲間を見つけては当時ハマっていたボディボードをするために、親の車を借りて海に通っていました。親の車も借りにくくなってきたので、中古車屋を経営している友達彼氏にお願いをして、車を買うことになりました。
色々と相談に乗ってくれて、一緒にオークション会場へ連れて行ってもらい出会った車が、当時の愛車でした。
遊びにお金を使ってしまっており、あまり高い車は買えませんでしたが、大好きだった元彼の影響で、四駆の中古をオークションで落とし、ナンバープレートも自分の誕生日にしてもらい、大好きな海に友達とボディボードを楽しむために、、四駆の愛車と一緒にあちこち出かける毎日でした。

彼氏に振られた悲しみも、少しは癒えて行きました。出かけるときは、車に話しかけるような気持ちで、ドライブを楽しんでいました。
その後、新しい彼氏もできて、サービス業だった彼氏の家に、車で行って翌日帰るという週末がしばらく続きました。海からも少し遠ざかっていました。
なんとなく運転注意しないとと、少し自分の運転に不安を感じるようになっていたので、気をつけつつの運転でした。

そんなある日の週末、いつものように夕方から彼氏の家へ車で行き、道路沿いの駐車スペースに車を停めて、翌朝帰るつもりで彼氏の家でぐっすり眠っていたときのことでした。

ふと目がさめて、あ、車大丈夫かな？と最後に見たかっこいい大好きな愛車の映像が浮かんできました。
こんなことは初めてだったので、少し気になりつつもまた眠りにつきました。すると、少しして、携帯電話がなりました。何度も何度も鳴っていたので、仕方なく出ると実家からでした。
警察から電話あったよ、車事故ったって大丈夫？
と急に言われ、全く訳がわからない状況で、落ち着いて話を再度聞くと、車が事故っていて、ナンバーから実家の番号が割り出され、実家に電話があったとのことでした。

慌てて、着替えて車に向かうと、そこにはぺしゃんこになった車の姿が、、
左折で曲がろうと端に寄った車に、思い切り突っ込まれてしまっていたのでした。少しタイミングがずれて、私が乗っていたら間違いなく大怪我をしていました。
なんとなく事故に注意しなくちゃと思っていた日々だったのですが、愛車が自ら犠牲になってくれたのか、最後にかっこいい姿を思い起こさせてくれたのは、お別れのメッセージだったのかなと、涙が止まりませんでした。

本当に大切にしていて色々一緒に出かけた初めての愛車だったので、悲しい別れになってしまったことを後悔しています。