完全なる寝坊の真相
投稿者:陶芸参謀 (37)
私が20代の頃、フリーターとして一人暮らしをしてアルバイト生活をしていたときの話です。
当時私がバイトをしていた職場から、住んでいたアパートまでは自転車で40分くらいの距離がありました。
朝8時過ぎにダラダラと起床し、家を出て自転車でいつもの道路を走り、バイトで時間を浪費し、何も考えずに生きていました。
普段はだらしない私ですが、仕事に関してはけっこう真面目で、遅刻や欠勤はほとんどしたことがありません。
そんなある日の帰り道、いつものように道路を走っていると、なぜかふと「田舎に帰って墓参りしよう」という気持ちになりました。
中学生の時以来田舎には帰っていませんでしたが、なぜかその時そう思ったのです。
いつものように帰宅し、何事もなく一日を終えて床につきました。
するとその翌朝、目が覚めると9時を過ぎてしまっていました。
完全なる寝坊でした。
こんなに大胆な寝坊は始めてだったので、自分でもわけがわからなくなってしまいました。
会社に遅刻する旨を伝え、ダラダラとまた自転車で外を走りました。
するといつも信号待ちをしていた交差点で事故が起きていて、僕がいつも必ず信号待ちをしていた場所があり、そこへトラックが突っ込んで大破していました。
ガードレールも虚しく破壊され、歩道まで突っ込んでいる状態です。
その事故はちょうど一時間前くらいに起きたらしく、いつも僕が通勤していた時間に起きた事故だったのです。
ゾワッ……と背筋が凍りました。
もしかしたらご先祖様が僕を助けようとして寝坊させたのかもしれない。
無意識に僕はご先祖様に感謝をしようと、墓参りに行こうという気になったのかもしれない。
お金が無かった僕はしばらく貯金をして、数年ぶりに田舎に帰って墓参りをしてきました。
数日そこで過ごし、東京へ帰る直前に最後の墓参りをしました。
線香に火を点けたのですが、思いっきり息を吹きかけても、思いっきり振り回しても、線香に点いた火は消えませんでした。
自転車で40分って相当な距離ですなぁ!
信号待ちでも油断大敵だね。