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心霊

陶芸参謀さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

S君の巨大化した目玉
短編 2021/10/01 22:39 1,249view

私が高校生の頃です。
夏休みに入り、地元の友人5人と自転車で数十分先にある心霊スポットで有名な団地へ向かいました。
時間は深夜帯で、若さと遊び心に任せて行動を起こしました。

いざ団地について散策してみると、確かに不気味な雰囲気はあるけれど、普通の団地でしかありませんでした。
この団地では飛び降り自殺が多発し、多い時は週に1度のペースで飛び降り自殺が起こったことで有名でした。
土地が呪われているのか、建物が呪われているのか、それは分かりませんが気味の悪い話であることに違いありません。
しかし先程述べたように、幽霊が出るような雰囲気はなく、ただの深夜徘徊をするような感じで散策を終えてしまいました。

肩透かしを食らった私達は地元に戻り、24時間営業をしている深夜のファミレスに行って朝になるまで時間を潰すことにしました。
店のソファに座り、ウェイトレスのパートのおばさんに注文をしようとしました。

当時は呼び出しボタンがなく、「すいません」と声を上げておばさんを呼び出しました。
さっそく注文をしようとするとそのおばさんが突然、「あんたたち………どこ行って来たの……?」と、客である私達にとつぜん質問を投げかけてきたのです。
一瞬呆気にとらわれたのですが、そこは素直に「○○団地に行ってきました」と話すとおばさんの顔が青ざめ、「何やってんのあんたたち!!付いてきてるよ!!!」と声を荒げるのです。

気味が悪いなあ…と思い、私は正面の席にいたYに話しかけようとしたのですが、Yが口を開けて指を差して震えていました。
Yが指を指した先には、S君がいました。

気になってS君の顔を見ると……目玉が異様に大きく拡大し、口元がニヤついていて今まで聞いたこともないような声を出して笑っていたのです。
Yは「うわああ!!!」と大声で驚き、どうした…?とみんなが心配しだしました。
私とYだけがSの顔の変異に気づいていたようです。

Sにそのことを話しましたが、Sは自覚がなかったみたいで、何が起こったのか理解していませんでした。
そしてすぐに早朝になり、それぞれ帰宅。
Sは帰宅してすぐ祖母にお祓いをしてもらったと言っていました。
それから数年後、Sは突然誰からも連絡取れなくなり失踪してしまいました。

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コメント(1)
  • S君団地にいた霊に呼ばれたね💧遊び半分で行っちゃダメだよ💧

    2021/10/07/21:53

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