不気味すぎる団体客とオシャレなイタリアンのお店で遭遇…

5年ほど前に私、親友のA子、B子と3人で都内の大きな駅に遊びに行った時の話です。
その日は午前中早くからショッピングを楽しみ、ひと段落着いたころにはちょうどお昼時。
そろそろ昼食でも…ということになり、A子の発案でとあるイタリアンのお店に行くことになりました。

そのお店はショッピングビルから７～８分ほど歩いた場所にあり、大通りから1本入ったところにある雑居ビルのワンフロアにありました。

お店は少し薄暗さはあるものの、おしゃれな雰囲気なので私たちは「楽しみだね」「何がおすすめなんだろう」などとはしゃいでいました。そして、料理をオーダーした頃私たちの隣のテーブルに10人ほどの団体客がやってきました。

その団体客はほとんどが30～40代くらいに見え、男女も半々くらいでした。とても和やかな雰囲気だったので社会人サークルの打ち上げか同窓会かといった雰囲気でした。

幹事の男性らしき人が「またみんなで集まれてよかった」などと話すので、やはり同窓会か何かなのか―と思ったのですが、男性は次の瞬間カバンから何かを取り出して机の上に置いたのです。男性に続いて、そのほかの参加者も次々とカバンから同じように何かを取り出し机の上に置きました。

少しに気なって横目で見てしまったのですが―　　

それは遺影でした。

しかも、幹事らしき男性の置いた遺影にはその男性の写真が、その他の参加者もみな自分の顔の入った遺影を机に立て、談笑してします。とても悪ふざけしているような雰囲気ではなく、横目で見てしまったことを後悔しました。

すると、A子とB子も私と同じ反応をしていました。明らかに異様な雰囲気だったからです。
もう運ばれてきた料理の味もわからず、とにかくここを早く出たい―そんな思いで料理を書き込み、足早にお店を後にしました。

団体客の盛り上がりはすさまじく、私たちがお店を出た後店内から聞こえてくる歓声が一段と大きくなった様な気がしました。

私もA子もB子も、お店のある雑居ビルを振り向くことは出来ず、一心不乱に駅まで向かいました。駅に着いたとき、A子がポツリと言いました「あの代表みたいな男の人と目が合っちゃったんだけど、目が全然笑ってないのに凄い笑い声出してた。なんだったんだろう…」と。

私たちは無理やり「きっと劇団の悪ふざけの打ち上げとかだったんじゃないか」という結論で自分たちを納得させました。
けれど、どうしても私はそう思えない―きっとA子とB子も同じように考えていたと思います。

一体、あの団体客はなんだったのでしょうか
あの日見たのはただの悪ふざけをする団体で、生きている人間であってほしい。そう願わずにはいられません。