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呪い・祟り

森林ズさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

3丁目の不気味な噂
短編 2021/09/25 21:19 2,523view
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私の地元で噂になった話です。

私が学生時代を過ごした地元はとある地方の政令指定都市から車で30分ほど離れたところにある新興住宅街です。
大きな都市のベッドタウンということもあり、街並みは綺麗で住民層も若い夫婦や子供など、活気あふれる街でした。
ここ10数年で急激に開発されてきた新興住宅地ということもあり、いわくがつくような歴史ある土地ではないはずですが、その住宅街はとにかく”3丁目”にまつわる噂が多かったです。

何でもその新興住宅街を作るときに神社を取り壊したという噂があり、その祟りで3丁目に住む住民は事故や事件に巻き込まれてしまう…という陳腐な話でした。

それが小学生の間でちょっとした噂になった頃、私含む同級生7,8人ほどで3丁目の裏手に広がる山に探検に行ったことがあります。学校の帰りに、ちょっとした肝試しのつもりでした。

山といっても道は舗装されていて一周しても子供の足でも1時間かからないくらいの規模です。

普段なら舗装されている道しか通らないのですが、肝試し気分ということもあり、少し道を外れて山の中を歩いていきました。

5分くらいそうして歩いていると、遠くにビニルシートで作られたような小屋のようなものが見えてきたのです。
その山はホームレスが住み着いているという噂もあったので、「ホームレスの家だ」「近づかない方がいい」と私たちは早々に立ち去ろうとしましたが、A君という男の子が、「俺見に行ってくる。誰か居たり、ヤバかったら逃げるから。」といい、その小屋のようなものを覗きに行ってしまいました。

私たちは少し離れたところでそれを見守っていましたが、A君は戻ってくるなり「ホームレスはいなかったけど、中はヤバかった」と言い出しました。あまりこの場所にいて人が来たら嫌だし、ケータイで中を撮影して来たから戻って見ようということになり、山を抜けたところにある公園でA君が撮影したという写真を見ることになりました。

その写真に写っていたのは、ビニルシートの小屋の内部に、汚れた地蔵や石碑?や何かの石でできたオブジェが10~20体ほど並んでいるというものでした。
なんでこんな山の中に…という気持ちと共に、「3丁目は神社を取り壊したから祟りが起きる」という話を思い出し、これがその取り壊した神社の物なんじゃ…という考えが頭に浮かびました。
同級生の中にもそう思った子がいたようで、「祟りが起きるんじゃ…」と異様な空気に包まれました。

それから数日祟りに怯えて過ごしましたが、特に何もありませんでした。
ただ、後日A君やその友達数人でその山を再訪したところ、ビニルシートの小屋も中にあった仏像も跡形もなく消えていたそうです。

それから半年ほどたったある日、小学校で「3丁目の裏山には入るな」というお達しがありました。「舗装崩れがあって危ない」「不審者の目撃情報があった」という理由だったと思います。

それからなんとなくその山に入ることもなくなりその内私も進学して地元を離れ、3丁目の呪いの噂や当時見た異様な地蔵のことなどはすっかり忘れていました。
しかし、先日ネットの事故物件情報サイトで地元をぼんやりと眺めていたところ、3丁目の裏山に「事件の記録あり」のマークがありました。

気になってクリックしてみると、私たちがその裏山を探検していた時期とそう遠くない時期にその山で遺体が見つかったと書き込みがあったのです。
山に立ち入れなくなったのはこのことが原因なのだとその時やっとわかりました。

あの時見たビニールの小屋や異様な地蔵や石碑とその遺体に関係があるかはわかりませんが、私には関係があるように思えて仕方ないのです。
そんなこともあり、地元に帰省しても未だに3丁目には近づけていません。

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