サヨナラのLINE
投稿者:PBoat (1)
短編
2021/09/06
07:21
1,202view
同僚であり親友だった彼。毎日一緒に仕事をし、仕事後も飲みに出かけ、家族より誰よりも多く時間を共にしていました。
ある夏の日、18時にアポが入っていたので二人で向かう約束があったので、
会社で彼が出社するのを待っていましたが…
10時「体調不良だから16時位には行くから待ってて」とLINE。
その時何通かやり取りし、最後に「無理しないでいいよ!」と返したLINEは未読。
15時「大丈夫?」とLINEしたのも未読。
そして、18時になっても彼は来ませんでした。
結局、彼と連絡が取れないまま、仕方がないのでいつもの居酒屋へ行き、数杯飲んで帰宅しようと自宅へ向かい始めた時。
突然携帯に着信!彼の名前が表示されたので、「ちょっと~!大丈夫?何してんの!」といつもの調子で電話に出ると…
雑音がして聞き取れない!「何?聞こえないよ」そのまま電話が切れました。
慌ててかけなおそうと思った瞬間、ちょうど着信があったので、思わずそのまま取ってしまった。
でも、その番号は登録のない知らない番号。
「もしもし…?」彼の奥様からの電話でした。
彼はくも膜下出血により亡くなったのです。
病院に駆けつけ、機械に繋がれた彼を見ると、その機械音は、彼からの着信があった時の雑音と同じでした。
私が絶対に、知らない番号には出ない事を知っていた彼。
奥様からの電話に「出てね!」のサインだったんだと思います。
着信履歴には、彼の着信履歴はありませんでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 8票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。