似ていく女
投稿者:ミシェル (5)
これは私が大学時代の話です。
私の友人にモデル並に可愛い子、Kちゃんがいました。
Kは背も高く顔も沖縄系美人で、少し気が強い関西弁のいかにも姉御というキャラでした。
そして私とKの共通の友人にYちゃんがいました。Yちゃんは私に似て普通の女の子で、派手でもないけど地味でもない本当にごく普通の女の子。KとYはキャラの違いもあってそこまで仲良くはなかったけれど、同じグループだったこともあり、人間関係も悪くなかったのでよく遊んでいました。
ある時Kは、「○○先輩に告白されて付き合う事になった」と私達に話してくれました。そりゃあこれだけ美人で背も高かったら告白くらいされるかと私は関心しつつ納得していました。その時はYも「凄いじゃん!○○先輩ってイケメンで有名だし、流石!」みたいに喜んでいました。
それからしばらくして、ふとKとYのカバンに付いているキーホルダーが同じである事に気付きました。私がYに「あれ?それってKとお揃い?」と聞くと、「え?そうなん?全然気づかんかった」と言いました。改めて二人のキーホルダーを見るとやはり一緒。偶然だねと二人は笑っていました。
そしてまたある時、今度はKとYの使っているペンが一緒である事に気付きました。再びYに聞くと「うっそ、これも一緒!?ちょっと、K私のマネしてるの?w」と茶化したように言いました。その時は皆も笑って「すっごい偶然だね!」なんて言い合っていました。
こんな事が沢山続きました。いつしかYはKと同じ髪色になり、ガーリー系の小物が好きだったのにKのように個性的な小物を持つようになったり、服装も森ガール系だったのがKのようにクール系になっていきました。
流石におかしいと思って私は軽い気持ちでYに尋ねました。「最近ちょっと趣味変わった?」と。するとYは笑顔で頷いて、「うん。私も○○先輩の事が好きだったの。だからKみたいな格好すれば私もKになれるかもしれないでしょ?もしかしたら私に目移りするかもしれんなぁって思って」と、すごく無邪気な顔で言ったのです。
私は思わず鳥肌が立ちました。あ、怖いと素直に思いました。
Yは全く悪びれた様子も変に思うこともなく、Kの彼氏が自分に振り向いてくれないかなという純粋な好意でKに近付こうとしていたのです。人間ここまでするんだと、私は怖い思いでいっぱいになりました。
その後結局Kの彼氏がYに振り向くことはなく、そのまま二人は大学を卒業。別々の県に就職したので、その後も関係が続いているのかは分かりません。
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