これは俺の友人だったRの身に起きた話です。
ある日の朝7時頃、俺が住んでいるアパートにRが訪ねて来たのですが、その様子がおかしくて驚いた。
Rはひどく怯えた様子で、左手に包帯を巻きガタガタと振るえながらほとんど手ぶらに近い状態だったのです。
「どうしたこんな朝早くに?」と訪ねると
『ごめんな…俺もどうしていいかわからなくて…』と振るえながらRはそう呟いた。
部屋に入れて何があったか聞くとRは少しずつ語り始めた。
『俺、どうしても許せない奴がいて、そいつを殺そうとしたんだ。
でも、そいつはヤクザみたいな奴で直接殺そうとすれば返り討ちにあうのは目に見えてた
だから、本で見つけた呪いの儀式を試したんだ…』
Rの話はにわかに信じられない内容だったが、それほどまでに追い詰められていたのだろう。
俺が何も言葉を発しないのを見てRは話を続けた。
『その呪いの儀式っていうのが、夢の中で相手を殺すことで現実でもその相手を殺せるって方法だった。
今思えば胡散臭いし馬鹿げてるよな…でも俺はそれにすがったんだ。
まず、寝る前に自分の爪を剥がして塩水に浸ける。
次に真っ白な紙に呪いたい相手の名前を書き、塩水を枕元に置いて北枕で寝るんだ。
そうすると夢の中に手足を縛られて身動きとれない相手と何本かの短刀が現れる。
あとは短刀を全て相手に突き刺して殺せば、現実でもその相手が死ぬって事らしい…』
そこまで聞いて俺はあれ?と思ったので聞いてみた。
「死ぬらしいって…実際にやったんだよな?死んだかどうか確かめてないのか?」
するとRは泣きながら答えた
『短刀は全部で五本あって、一本はそいつの足に刺したんだ。
あいつは悲鳴をあげながら俺に何度も謝った。
でも…刺した途端にそいつの妹さんの事を思い出してさ…
そいつは確かに殺したい程恨んでるけど…
妹さんは凄くいい子なんだ…俺も何回も会ったことある。
だから俺は残りの四本を刺さずにそこを去ったんだ。』
俺は嫌な予感がしてRに聞いた
「なぁ、その呪いの儀式って相手殺さなかったらどうなるんだ?」
すると、完全に血の気の失せたRが消え入るような声で答えた
『全部呪いをかけた人間に返ってくるよ…呪いってのは大体そうだけど…これも同じらしい…』

























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