職場に感じのいい上司がいた。
話上手で誰とでも打ち解ける。
私は人見知りだが、その上司だけは気楽に話せた。
ある日、仕事が終わったあと、上司と二人になった。
私は何気なく言った。
「最近、○○さんとちょっと合わなくて……」
上司は、
「そっか、無理して合わせなくていいよ」
と言ってくれた。
それから私は、上司にいろいろ話すようになった。
「実は、○○さんのこういうところが苦手」
「△△さんとは、あまり話したくない」
上司は毎回、
「何でも話して」
と言ってくれた。
だから、私は何も疑わなかった。
ところが数週間後。
周りが急によそよそしくなった。
以前は普通に話していた人まで。
理由が分からなかった。
「私、何かした?」
すると同僚は困った顔をして、
「あなた、私の悪口言ってるでしょ?」
私は驚いた。
「言ってないよ」
同僚は、
「でも、上司から聞いたよ」
と言った。
「私が話したこと、誰かに言いました?」
上司は笑いながら
「うん。話したよ」
と答えた。
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