私にはいつも、二人の少女が見えている
鏡の端、 窓ガラスの反射、 部屋の隅…
そこには中学生の少女二人がいつも立っている
一人は、当時の私
もう一人は、私が中学生の頃に一緒に死のうとした恋人
私たちは心中を図った
けど、私だけ生き残ってしまった
世間は事故として処理した。 私も否定しなかった
以来、二人はずっと私を見つめている
最初は恐ろしかった
けど、何十年も変わらない
何も言わない。 何もしない
高校を卒業した時も
結婚式の日も
娘が生まれた日も
二人は変わらずそこにいた
ただ私を見ていた
月日は流れ、この春、娘が中学生になる
夕暮れ時、障子越しに赤い夕日が差し込む部屋で、娘はおろしたての黒いセーラー服を着て、私の前でくるりと回る
「どう? 似合ってる?」
その姿を見て、私は違和感を覚える
いつもいたはずの私がいない
恋人の隣に立っていた、中学生の私が消えていた
初めてだった
二十年以上、一度も欠かさず現れていたのに
ああ…
あの日から止まったままだった自分は、もういないのだと
私は涙ぐんでいた
やっと終わった
やっと過去から解放された
そう思った
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