サナトリウムの男
黒服帽子の男が、ひとり。
黒服帽子の男が、ひとり。
サナトリウムへの道を歩いて、いく。
右手には立派な木の杖を持って。
左手には黒い手提げ鞄を持って。
サナトリウムへの道を歩いて、いく。
ああ、こんなことも、あるんだなあ。
よりにもよって、忘れられないなんて。
かわいそうな黒服帽子の男。
かわいそうな黒服帽子の男が、こっちにくる。
足取りに怒りを滲ませて。
お面みたいな表情で、こっちにくる。
きっと、気付いてはいけなかったんだ。
僕をちぎって、おしまいにしよう。
(長野県・M君・七歳の頃の日記より抜粋)
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