私、昔から友達とかと怖い話をするのが趣味だったんですね。
そしたら、「私めっちゃ霊体験したことあるよ 」って言ってくれた子がいるから話しますね。
無口で全然話さない子だったけど、その時だけは瞳をキラキラさせながら話し始めました。
「私ね、最近よく死ぬ夢を見るんだよね」最初の一言は、そんな物騒な話から始まったと思います。
「でもね、その中に一人嫌いな奴が出てきて、そいつを夢の中で殺すんだよね。
いつもナイフなんだけど、それで“一番最初に刺した場所”を本当に何かしらで怪我してるの、嫌いな奴が。それで、その後に私も誰かに殺されて目を覚ますんだよね。」
へえ、なんだこの子と思っていると、また口を開いた。
「あ、その一番最初に刺した場所は私も怪我してて、まあ因果応報って感じかな。 ほら、こことか。」
といって右腕を出してきた。
確かに包帯を巻いており、昨日料理してる時切っちゃったんだよね包丁で、と薄笑いを浮かべていた。
私もあはは、と愛想笑いで返した。
「ごめん、用事あるからもう帰るね。また今度、別の話聞かせてあげるから、またね」と言って帰って行った。
でも、それっきり話を聞くことは無くなった。
おしとやかな子だったのにそんな話をして怖いってのもあるが、それより。
私は長袖の下にある右腕に触れた。
昨日、料理中に包丁で切ったからだ。
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