まともな神経してたら絶対やらないことを、なぜか全力でやっちゃう時期ってありますよね。
いわゆる、厨二病ってやつです。
お恥ずかしながら、私にもそんな時期がありました。
しかも、一歳下の弟と同時発症。
いやぁ……我ながらタチが悪かったと思います。
当時の私たち、二人そろってオカルトにハマってまして。
「本当は幽霊が見えてるけど、見えないフリして生活してる」って設定で色々やらかしてたんです。
で、授業中にいきなり「……今の、聞こえた?」とか友達に言ったり。
片方がそんな素振りを見せたら、もう片方が「やめなよ。その人、周りには見えてないんだから」とか言ってフォローしたり。
……はい、立派な黒歴史ですね。
思い出すだけで顔から火が出そうです。
でも、幸いなことに私は中3のときに正気に戻りました。
きっかけは、“本物の霊感持ち”っぽい子に出会ったことです。
その子、クラスメイトって訳でも、友達って訳でも無かったんですけど…ある日、いきなり私にこう言ったんです。
「憧れるのはいいけどね。フリをするだけでも、構ってもらいたい霊は寄ってくるものだよ?最近、不運が続いてない?」
びっくりしました。
だってその時期、好きな人が友達とくっついたり、
第一志望の高校に落ちたり、自転車が立て続けにパンクしたりしてて。
一個一個は大したことなくても、「……あれ、もしかして?」って思うには十分でした。
それで一気に現実に戻ったんです、怖さで正気に戻った感じでしたね。
あの子の言葉で、厨二病から卒業出来たんですよ。
まぁ、その後遅れてやってきた羞恥心に苦しみましたけど。
でも、弟は違いました。
私がやめても、彼は信じたまま、まっすぐ突っ走ってたんです。
で、最近になって、久々にその話になったんですよ。
そしたら弟が、ちょっと真顔で言うんです。
「あの頃さ、いきなり見えるようになって、霊と人の区別が本気でついてない事も多かったんだ。姉ちゃんが止めてくれてたの、助かってたんだよ」
……初耳です。
弟、まさかの“本物”側でした。
それどころか、私がやってた“見えてるフリ”についても、
「え?姉ちゃん、マジで誰かと喋ってたじゃん。
俺、てっきり自然に見えなくなったんだと思ってた」なんて言い出す始末。






















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