あの日も、夜とは思えないほど暑かった。
小学6年生の夏休み。
仲の良かった4人である約束をしていた。
「来週からお盆で学童もないし、4人でプールで遊べないな。」
「俺なんか毎年父さんの実家に行くんだけど、ヒマ過ぎて…」
「俺の家はどこも行かないくて超ヒマだよ…ここで集まって4人でいる方が全然いいよ…」
お盆中は学童は閉鎖される。
それぞれの家庭での過ごし方が違うので4人集まることは難しかった。
みんなでお盆の過ごし方で話をしていると、1人の女の子が話しかけてきた。
「ねぇ、この話、知ってる?」
同じクラスの和田さん。
1年ほど前に親の仕事の関係で、転校をしてきた子で誰にでも話しかけるコミュ力の高い女の子だ。
「何?面白い話?」
「俺ら、来週からのこと話してたんだ。」
「あんたらに面白い話聞かせてあげる。前の学校の時、面白そうな話聞いてさー。夜の通学路。っていうの。」
「夜の通学路?なにそれ?」
「面白いのか?笑」
「怖い話?」
和田さんは大きく頷き、
「そう。怖い話。あー、怖かったら話さないから。」
4人は顔を見合わせ、少し様子を伺った。
「今、ちょうどヒマだし、いいよ!聞かせてよ。」
「お前、俺らのこと、ビビリだと思ってるのか?笑」
「そんなに聞きたいなら聞かせてあげるね。」
5人は小さく丸くなり、床に座り、そして、和田さんが話し始めた。
「ある町に、町中の人が知ってる噂話があって、その噂って言うのが、その地域にある小学校の通学路で女の子の霊が出るって。」
「よく、ありそー」
「なー?笑。ありがちな設定だな笑」
「その学校に通う女の子が通学路で登校中に行方不明になって、数日後、少し離れた山の中で見つかったんだけど…
その事件があった日が今のように夏休みで学童に行く途中だったんだって。
その子は、すごく真面目で、先生から言われたことはちゃんとやるし、周りのみんなが悪いことをしてたら注意する子だったって。だけど、遊ぶ時は人一倍楽しんで遊ぶからみんなからはとても慕われてリーダー的な存在だった。
あんたらとは正反対だね。」

























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