真夏の厚〇年〇会館に満員の観客が集まった。
今日は有名な怪談師たちが勢ぞろいして、
徹夜で百物語を開催するという怪談マニアにとっては垂涎のイベントが開かれるのだ。
まずはトップバッター! 怪談界のレジェンド! 稲〇淳爺の登場だ。
淳爺は最凶怪談「生き〇形」を語った。
あまりに恐ろしい怪異に、観客たちも震え上がった。
休む間もなく次の語り手が登場した。
その熱い人柄と純朴な語り口で恐怖と感動を怪談に込めるファ〇キー中〇氏だ。
今も熱烈なファンがいる彼は、やはり最も恐ろしいといわれる「魔守の〇」を
披露した。生〇人形にも勝るとも劣らない恐怖が会場を包む。
休む間もなく三番手の語り手が登場した。
気が付くと会場のドアはロックされており、百物語が終わるまでは
誰もここから出られないようになっていた。
次の演者は「新〇袋」の共同著者として知られる怪異蒐集家の中〇〇郎先生だ。
豊富な知識と取材量に裏打ちされた緻密な内容、そしてそれとは裏腹に優しい口調の語りが
いつしか眠りを誘ってしまいそうになるのだが、そんな先生が選んだのは、
大人気、「山〇牧場」であった。
その不思議な、そしてどこかコミカルにも感じる話に観客は魅了された。
だが、観客たちはあることに気付いてざわつき始めていた。
「・・・もしかして、このまま百物語を聞いていたら、俺たち全員死ぬんじゃないのか?」
・・・と。
レジェンドたちの怪談は休むことなくまだまだ続いたのであった・・・。


























kanaです。ネタ枠で意味コワでした。
解説するまでもないと思いますが、3人が話し終わった時点で、すでに7時間が経過しておりました。
・・・あと97話つづきます。
百話を語り終える頃には餓死者が出るということですね。