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不思議体験

HiTsUZI1029さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

その友人、人外につき。
長編 2025/08/01 11:29 2,226view

私の友人に、面白いやつがいる。というより、危なっかしい。

そいつは、「考えるよりもまず行動」をモットーとしているため、ノリでいろいろやってしまう。

ある時は旅行に行ったときは一人でどっかいったかと思ったら、私達と勘違いして赤の他人に声を
かけ、肩を掴んで引っ張ったため、相手に怒鳴られていた。

またある時彼は昔から立ち入ってはいけないと言われている、彼の家の近くにある山の中に入っていって、骨折した。

その山は彼の父親も入ったことがあるらしいのだが、崖が多く、しかも自然でカモフラージュされていてそれらが見にくい。
故に落ちてしまえばひとたまりもなくなるのだが、彼はそこに入った。いつもは彼の親族がそこへ行くとなると本当に怒るのだが、その日は誰もいなかったのでいとこと弟を連れて、行ったらしい。弟達は猛反対、彼を止めたが、聞かなかった。

最終的に、崖から滑り落ち、10m程を降下して靭帯を”やった”。
彼は、「落ちているときほんとにダイビングと言うか、、、空飛んでる気持ちになったわ」と、笑顔で話してくれた。松葉杖で体を支えながら。

そんな彼には凄い友人….知り合いがいるらしい。というよりも、その友人が今回の物語のタイトルにある「人外」な人物なのだ。私は、その人物との交流の様子を聞いて、その人物について人間だったかどうか疑ってしまった。

彼の友人、ここでは「A」とする。Aは、並外れた身体能力を持っている。ただ、目立ちたくない性格のため、今までずっと力を抑えて生活してきたとのことだ。

友人がAと出会ったのは、修学旅行で登山に行ったときのことらしい。

実のところ、私も自由翻弄することが好きなのだ。
その修学旅行では、注意されていたが友人と共に登山道を外れ、危険なコースへ入り込んでやった。
登山は7時間で、開始1時間で外れたのであと6時間も残っている。

山に慣れている私達2人は周辺を散策し、崖を登ったり下ったりしてとても楽しんだ。
そうしていると間もなくして、昼になった。大木の近くで食事を取ろうと決めた私は、友人を呼んだ。

返事がない。

少し嫌なものを感じた私は、友人が行った方向へ行った。

見当たらない。すると、霧が出始めて、大木のところへ戻ることも難しくなってきた。

すっかり視界がぼやけた。漫画みたいに目の前が真っ白とはいかないものの、少し遠くの木や山なんかは一切見えない。
なんとか大木のところまで戻った私は、しばらく友人を待ってみることにした。

⋯2時間ほど経った。霧は相変わらず晴れない。友人の方も、帰ってこない…。
途方に暮れていた矢先、友人がひょいと現れた。
「何やってんだお前、こんなところで。飯食った?」
調子が狂う。

「食べてない」というと、「一緒に食おうぜ」と言われた。聞きたいことが沢山あったが、もうそんな気力はなくなっていて、結局無言で食べる。

ちょうど二人とも食べて登山道を探そうといっていると、何故か急に霧が晴れた。
私達は登山道へ戻り、山の山頂へ向かった。

私達がいたところは、怪我人、それ以上の重症者を出したとても高い「崖」へ向かう途中の危険な道であったことを、後に知ることになるが、今は他のメンバーとの合流の話をしよう。

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