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心霊

花音さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

バスガイドさんの恐怖体験
短編 2020/11/18 16:01 3,435view
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 これは数年前に私が高校の修学旅行に行った時にバスガイドさんが話してくれた話です。
 私の高校は2泊3日で北海道へ修学旅行にいきます。移動はすべてバスを利用しており、もちろんバスガイドさんもついています。私たちのバスガイドさんはその道約20年のベテランさんらしく、北海道の全てを知り尽くすほどの知識がありました。始めの一言からクラス全員を引き付けるほどの魅力的な口調で自己紹介を始めました。

私のクラスは全員が男子で、しかも全員スポーツをしている所謂スポーツクラスだったんですが、その中の一人が「今まで変なお客さんとかいました?」と訳のわからない質問をし出して場も失笑が生まれる中、バスガイドさんは「もちろんいました。中にはこの場では言えない事もあるよ」と言いました。

皆その言えない事に引っかかりつつ特に深入りしないまま修学旅行が過ぎていきました。
最終日3日目の夕方薄暗くなってきた頃、クラスの一人がまたバスガイドさんに「初日に言ったこの場では言えない事って何ですか?」と質問をしました。

すると帰ってきた返答が「実は今この場にいる私と運転手の佐藤さんが初めてタッグを組んでから15年が経ちます。その間に本当にいろいろな出来事がありました。時には物凄いクレームをいただいたり、お酒に酔ったおじさんが騒いでしまってバスを遅延させたりとありとあらゆる経験をしました。ただ今から話す内容は今まで一度も話した事がありません。なぜなら私が体験した唯一の心霊体験だからです。」こう言ったのです。

私のクラスは皆興味津々でその話を聞きたいの一心、全員でやっとの思いで説得をし、スポーツクラスの男子の圧力で泣く泣くその心霊体験を話してくれました。

どうなっても知らないよ。。そう一言行った後に当時を振り返りました。

「この話は私が佐藤さんとタッグを組んで最初の夏に入った頃の話です。北海道には数々の絶景スポットや美味しい食べ物屋さん、歴史的な場所、本当に沢山あります。 
ただ入社して以来先輩ガイドさんからはここのトンネルだけは通らないでねと言われる道がありました。佐藤さんとタッグを組んだ最初の夏、酔っ払いのおじさんの件でかなりバスが遅延したその日。22時に私と佐藤さんだけが乗った回送バスは時間短縮の為に近道をする事を決めました。ただその道は先輩から言われていた通ってはいけないトンネルです。
どうって事ないと思いそのトンネルを通った瞬間、ドスっという感覚と共にバスの重量感が増した感覚がありました。
私と佐藤さんが二つあるバックミラーで後ろをそっと見ると、、通路に身を乗り出した男たちがこちらをじっとみていたのです。」

その道は100年ほど前にトンネル開通工事の際に陥落事故が起き30名が犠牲となったトンネルだったそうです。その霊たちは今だに供養される事なく私たちを羨ましそうにこちらを見ていたのでしょう。

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コメント(4)
  • 最初は話す気もなく渋々話した割にそこまで・・って話だったな

    2021/01/27/11:40
  • 幽霊って重いのかな?
    有名なトンネルかな?

    2021/04/04/23:43
  • 怖すぎw

    2021/11/06/11:22
  • 怖かった!!

    2023/08/27/18:32

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