SNSを始めたユイカは“理想な人間関係”を求めていた。
ある日、ユイカはFF整理用のスプレッドシートを作った。
そこに、いいね・RTの頻度、リプの質、共感性スコア(独自基準)などを書き込んだ。
「この人、リプが遅い。削除」
「この人、他人とばかり絡んでる。貢献度低いから削除」
気に入らない相手を切ってゆく。
SNSのフォロワー数は0になった。
「これで完璧」
そうしてユイカのSNS最適化が完了した。
さらにユイカはこう思い始めた。
「リアルの人間関係も、整理しよう」
ユイカはクラスの名簿を印刷し、一人ずつクラスメイトの“評価”を始めた。
「この人、空気が読めない。バツ」
「この人、服のセンスが悪い。バツ」
すべての名前に「×」が付いた。
「×」だらけの紙を持ったユイカが呟く。
「整理、しなくちゃ」
翌朝、教室のホワイトボードにそのリストが貼られていた。
全員の名前に、赤いペンで「×」が書かれた紙。
「いらないのは、全部、切らなきゃ……だよね」
ユイカはそうひとり言を言いながら、カバンから包丁を取り出した。
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