俺のクラスのLINEグループで、変な噂が流行った。
夜中2時、洗面所の鏡に向かって、
“ワタシハ、ココニイマセン”って言い続けると、
“鏡先”という世界に繋がるらしい。
“鏡先”にはもう一人の自分がいて、
願い事を叶えてくれるそうだ。
馬鹿馬鹿しい。
しかしグループの中のお調子者が、「オレがやる」と言い出した。
そんなら動画録ってライブでみんなに見せてくれと言ったら、「じゃあ今晩な!」と嬉々として引き受けた。
夜中2時。
そいつが鏡の前で“ワタシハ、ココニイマセン”と繰り返し唱えるのを見て、退屈なあくびをかみ殺していた。
その時。「ワタシハ、ココニイマス」……という声と共に、突然画面がプッツリ切れてしまった。
あれ?何だ?と思ったが、眠かったので、その日はそのまま寝た。
次の日からそいつは、学校へ来なくなった。
噂では、そいつ、割れた鏡のガラス片で、全身をズタズタに裂かれて、死んだらしい。
鏡は、内側からはぜて、ガラスが飛散した状態で、どうしてそうなったのか分からない。
不気味なのは、死んだそいつは、なぜか嬉しそうな笑みを浮かべて倒れていたという。
――LINEグループでは“鏡先”の話はタブーになった。
鏡先。かがみさき。
あれ、そもそも誰が言い始めたんだっけ?
鏡の先に、何があるのだろう?
俺は、あの時の「ワタシハ、ココニイマス」という声が耳にこびりついて、離れない。
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