《静寂の訪問者》

ある日、大学生のAは、友達と旅行に行ったときの写真を整理していた。スマホのアルバムを見返していると、見覚えのない写真が1枚だけ混ざっていた。

それは、彼女が寝ている写真だった。

「え？ これ、誰が撮ったの？」

旅行中、同じ部屋に泊まった友達に聞いてみたが、誰も撮っていないという。しかも、その写真の撮影日時は、Aが一人で家にいた日の夜だった。

「気味悪いな……」

そう思いながらも、彼女はその写真を削除した。

その夜、ミナは寝る前にスマホを確認した。すると、通知が1件届いていた。

「写真、消さないでよ。」

解説（※読み終えた後に読んでください）
ミナが寝ている写真は、旅行中ではなく、自宅で一人で寝ていたときに撮られたものです。つまり、誰かが彼女の部屋に侵入して、寝ている間に写真を撮ったということになります。
さらに、写真を削除した後に届いた通知は、その侵入者がまだ彼女のスマホを監視している、あるいは部屋の中にまだいる可能性を示唆しています。