ある大学の都市伝説サークルが、廃墟探索の一環として、郊外にある廃病院を訪れた。そこは20年以上前に閉鎖された精神科病院で、当時、違法な人体実験が行われていたという噂が絶えなかった。
夜中、懐中電灯を手に、彼らは地下の手術室にたどり着いた。そこには、今も手術台が残されており、壁には無数の爪痕のような引っかき傷があった。
そのとき、メンバーの一人が、部屋の隅にあるロッカーを開けた。
中には、人間の皮膚を縫い合わせたような“何か”が吊るされていた。顔の部分には、目も鼻も口もなく、ただ縫い目だけがぐるぐると渦を巻いていた。
突然、手術台の下から「ズル…ズル…」という音が聞こえた。
覗き込んだ瞬間、血まみれの手が飛び出し、彼の足首を掴んだ。
逃げようとしたが、足元に転がっていたのは、眼球だけがぎっしり詰まった瓶。踏みつけた瞬間、ガラスが割れ、無数の目が床に散らばった。
その後、彼らのうち二人は行方不明になり、残った一人は精神を病んでしまった。
彼が最後に言った言葉はこうだった。
「あれは…人間じゃない。人間を“縫い直した”ものだった…」
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