負は連鎖する

私が親父の友達から聞いた話だ。

それは親父の友達が鉄工場で働いてた時の話らしい。

その日は日曜日だったが、納期の関係で
親父の友達（A）と親父の友達の後輩（B）と職人さん（C）の3人で休日出勤するはめになった。

BとCは作業スペースを確保するために
天井クレーンを使って鉄骨や資材をどかしていた。
Bはクレーンの操作が下手なので、Cが｢おまえちょっと練習やと思ってかたづけてみ。｣
とクレーンのリモコンをBに渡していた。
Aは二階にあがって、塗装の作業ににとりかかった。
2時間くらいたった頃、ガッシャーンという大きな音。
｢おいおい…｣
Bが二階にあがってきて

｢どうっすか進み具合は？｣
と尋ねてきた。
｢まだ全然だよ。ていうかさっきでかい音したけど何？｣
｢なんでもないっすよ。つうか俺用事あるんで帰ります。｣
冗談かと思って｢あほかｗ｣
と軽く流すと
後輩が｢じゃっそういうことで…｣と本当に帰ろうとしたので
あわてて階段をおりてBを追いかけた。
Bが｢冗談ですよ。〇〇さんは上で作業しといて下さいよ｣
と階段で俺を制止する。
｢冗談かよマジっぽかったぞ。まあいいや今日は遅くまでやるし休憩しようや｣
と下におりようとすると、｢いや〇〇さんは上で休憩とって下さいよ。CさんぶっちゃけAさんの事嫌ってますから｣

といいだした。

何かBの様子が変だ

目が泳いでいる。
それにさっきのガッシャーンという音、感覚的にやばい感じがしていた。
俺はあわてて下へ降りた。
Cがいない…
どこにも……
クレーンが品物を釣ったまま高くまで巻き上げられている
目を疑った…
頭がつぶれたCが品物にはさまれて浮いていた。
Bはいなくなっていた。
警察と救急車を呼んだ後、Aは写メで頭がつぶれたCを何枚も撮った。