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呪い・祟り

ASAHIさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

いけず石
長編 2024/12/21 22:12 563view

 いけず石というものを知っていますか。
私有地と公道の境界付近に置かれている、通行する車両から私有地の建物や塀を守るためとか、車の幅寄せの防止に置かれている自然石の事です。

曲がり角に置いてあることが多くて、運転する側からしたら邪魔な障害物なんですけど、
住んでいる側としたら、狭い道に無理やり入り込んで、家の塀を傷つけ、報告することもなく逃げてく連中には業腹でしょう。

いわばいけず石は自分たちの財産を守るための結界であり、侵入してくるよそ者への目に見える警告なんです。

京都が有名ですけど、大阪や兵庫など関西の広い地域にある風習ですね。

さらに余談ですけど、関西の方言で「いけず」というのは意地悪、性格の悪いという意味で、
京都以外の地方ではいけず石=京都になったのかもしれません。

京都の人たちからすると不名誉でしょうけど・・・
前置きが長くなってしまいましたね。

これから話すのは、そのいけず石の少し怖いお話です。

 昔、私が大阪で働いてた時の話なんですが
盆も終わって複数の友人と休みの間どこに行ったかとか、土産物の交換とかしてた時に、
友人のひとりが青い顔して「俺、呪われたかもしれない」って言い初めまして・・・

 その友人、Aとでもしておきましょうか、が言うには、京都に自分の車で旅行に行ったらしいんです、当時はまってた漫画の聖地めぐりとかで。

京都って実は観光地の割には交通の便があまりよくない場所も多いらしくって
有名な場所ならともかく、アニメやら映画やらで出てきたちょっとマイナーな神社とか観光地にいこう、となると、
京都の景観を守るために───とかで古い家ばかりで道路の区画整備も進んでないところが結構あるそうなんです。

 道が狭くてバスは運行してない。タクシーだとお高くなるし、歩きだと時間がかかるし疲れるし、
じゃあ仕方ないし車で行くか、て考えたらしくて。

でも、そんな狭い路地が多い場所で土地勘のない人間が運転したらどうなるのか。

案の定、古民家の曲がり角でいけず石にがっつり擦ってしまって・・・

スピードなんてほとんど出してなかったのにガリガリと結構大きな音がして、石も道路の真ん中に転がったのも見えたそうです。

停めた車から慌てて飛び出して確認したら、バンパーにがっつり擦り傷ができてて、結局高くついちゃったな、なんて考えてたらしいんですが、
ふと、道路に転がった石を見たら、老婆の生首がこちらを恨めしそうに睨んでいたそうです。

ぎょっ、として車に飛び乗ったらしいんですけど、発車しようとして、もう一度ちらっとみたら。普通の石になってたらしくて。

もう一度車からおりて恐る恐る確認してみたら、やっぱりただのでかい石で、「なんだ。ただの見間違えか」と思ってほっとしたそうです。

道路の真ん中にこんな石を放置するのも問題だし、所有者の家の人にも謝らないと、と思って、その石をどけようとして近づいたら、
なんかその石から細長い糸のようなものがきらきら光っているものが見えたそうです。

何だろうって確認してみると、

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