ゲシュタルト崩壊
投稿者:セイスケくん (28)
「ゲシュタルト崩壊」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
日常的に見慣れた文字や図形をじっと見つめ続けると、急にその意味や形がわからなくなる現象だ。
多くの人はそれを単なる脳の錯覚や疲労だと考えるが、実はその裏には恐ろしい真実が隠されているという噂がある。
あるネット掲示板に「Y」というハンドルネームの投稿が残されている。
投稿はこんな内容だった。
「一週間前、友人から変な話を聞いたんだ。
『ある特定の文字を見続けるとヤバいことが起こる』って。
最初はバカにしてたけど、なんだか気になって、試してみることにしたんだ。
その文字ってのが『ユ』だった。カタカナの『ユ』。
ただの文字だろ?普通、怖くないよな。でも……試したのが間違いだった。」
Yの話によると、彼は深夜、自分の部屋でスマホを開き、「ユ」の文字を画面に表示したままじっと見つめていたという。
数分は何も起こらなかった。
ただのひらがなだ。
しかし、10分を過ぎたころ、文字がぐにゃりと歪んだように見え始めた。
それがいわゆるゲシュタルト崩壊だ。
形がバラバラになり、意味がなくなったように感じる。
Yは「これか」と思い、少しおかしな気分を楽しんでいた。
だが、突然、違和感が全身を襲ったという。
「目が離せなくなったんだ。まるでその文字が俺を引き込もうとしてるみたいに、視線を動かせなかった。耳鳴りがしてきて、頭が割れそうに痛くなった。けど、それだけじゃなかったんだ。その文字が、じっとこちらを見てるように感じた。」
彼は急いでスマホを閉じ、部屋の電気をつけた。
しかし、それでも「ユ」の残像が目の前に浮かび続けていたという。
その夜、彼は眠れなかった。
布団に入ると、天井にも「ユ」が浮かび上がり、消えないのだ。
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