自慢のバイク
投稿者:急に坊主にするタイプの女 (4)
これは僕が2年前の冬に、
引っ越しをした時の話です。
僕には妻と小学生になる息子がおり、
田舎の方に住んでいました。
僕が転職することになり、
家族で都会の方へ引っ越すことに。
まだ息が白くなる、寒い冬のことです。
引っ越したのは住宅が建ち並ぶ中に建つ、
夢のマイホーム、二階建ての一軒家です。
無事引っ越しを終え、転職先でも暖かく迎えてもらい、
順風満帆な日々を過ごしていました。
そんなある日、少し不気味な出来事と出会います。
転職先の仕事は、繁忙期になると残業が多く、
帰るのが0時頃になることも多々ありました。
その日も、仕事を終え家に着いたのは深夜の0時前。
僕はバイクが趣味で、通退勤にもそれを利用しています。
いつも通りバイクの音を轟かせながら家に着きました。
すると、
「バシッ!」
という音と共に、向かいの2階の窓が閉まりました。
電気がついており、髪の長い女性がこちらを見て立っていました。
いま思えば、深夜のバイク音がうるさかったのかな思います。
結構な音だったので(バイク好きには耳ざわりのいい音なんですけどね…)。
しかしこの時の僕は、そのことに気づきませんでした。
「なんだよ気味悪いな…」
そう思っただけで特に気にも留めず、普段通りに過ごしました。
この日から、僕がバイクで帰宅するたびに向かいの女性は
「バシッ!」と窓を閉め、こちらを睨みつけてくるように。
あまり関わるとろくな事がないだろうと、無視していました。
それから月日が経ち、季節は夏に。
相変わらず遅く帰った日には、
女性の「バシッ!」という音が聞こえてきますが、
特に変わりない日々を過ごしていました。
悪意のある嫌がらせ女より無自覚騒音撒き散らし男の方が怖い。こんなヤツがうちの隣に引っ越して来たら…嫌だなぁ。関わるとロクなことなさそうだし。