1号室:離サナイ
投稿者:うずまき (21)
短編
2024/07/20
16:24
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アイツは狂った。
そう、長年付き合っていた最愛の彼氏にフラれてからだ。
明るくフレンドリーだったアイツが全く姿を見せなくなってもう数カ月。
おれとアイツはいつも行動を自ずと共にするグループのメンバー。
恋愛感情とかではなく、長い間いい仲間として関係を保っていた。
そんなアイツがLINEも電話も反応なし。以前はすぐに反応してくれてたのに。
流石に心配がMAXになり、一人暮らしをしているマンションを訪ねる事にした。
「おーい。」
モニターホンを何度か押し、無意識に声をかける。
反応はない。
「…。」
少し気が引けたがドアに手を掛けダメ元で開いてみた。
こういう時ドラマや映画だと想定内で開く。
だが、現実はそんな訳ないよなー。
……開いてる。ドアチェーンも外れたまま。
女の子1人で不用心すぎるだろと思いながらも、中へと踏み入れる。
「…っ!?」
言いようのない悪臭が迎えてくれた。
おれにじっとりねっとり絡み付くような不快さ。
思わず眉間に皺を寄せ、鼻に手をやる。
これは明らかに異常だ。やばい。
昼間だというのに閉め切った室内は薄暗く、白を基とした廊下は何故か点々と水が溜まり、不気味に光っている。
『何の水だ…?』
そう思いながらも迂闊に踏んでしまった。
冷たさはない。足裏から靴下を通じてじわじわと染み込んでくる。
無意識に指先で確かめて臭いを嗅ぐ。
「はァっ!?」
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