突然の来訪者
投稿者:ねこじろう (147)
初春の頃の朝。
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俺はいつも通り上下スーツ姿で、玄関口で革靴を履いていた。
「いってらっしゃい、頑張ってね」
そう言って妻の未奈が笑顔で右手を上げる。
俺はその手に軽くタッチした。
結婚して今年で3年だが、この朝の習慣は欠かしたことがない。
夜に小さな喧嘩をしても、これをやるとリセットされる魔法の儀式だ。
それから軽快に家を出た。
住宅街の路地の曲がり角を何度か曲がり国道沿いの歩道をしばらく歩くと、地下鉄の入口が見えてくる。
─あ、そういえば、今日から八木が忌引きとかで休むとか言ってたっけ?
いや、明日からだったかな?
八木は俺の直属の部下で営業職である俺の、今は秘書的な立場で様々な仕事の段取りとかをやってくれていて彼がいないと、その日の仕事の進め方がかなり違ってくるからだ。
またプライベートでも一緒にゴルフに行ったり、飲み会で遅くなり終電を逃した時とかうちに泊めたりとかもしている。
まあ、大事にしてる部下というやつだ。
俺は改札に繋がる下り階段の手前で立ち止まる。
そして携帯で確認しようと胸ポケットに手を突っ込む。
会社の予定関係は全て携帯に記憶させているからだ。
だがいつもならポケット内にあるはずの携帯がない。
あれ!あれ!あれ?
俺は上から下まで全てのポケットを探ってみたが、やはりなかった。
腕時計を見ると、時刻はまだ8時5分前。
今から戻っても、何とか会社の定時には間に合いそうだ。
俺は踵を返すと、ダッシュで走り出した。
面白かったです(*´∀`)。
( ゚д゚)。
ひゃ~!Σ( ̄□ ̄;)
怖っわー
コメントありがとうございます。
─ねこじろう
スレチっす(笑)
コメントありがとうございます
─ねこじろう