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不思議体験

kanaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

【short_85】飛行禁止措置
短編 2024/03/18 21:33 1,067view
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ある時、おかしな夢を見た。夢の中でベッドから起き上がり、部屋を出て行こうとした。
振り返ると自分はまだベッドの上で眠っている・・・。
「あぁ、これは夢なんだな」そう思った。

「そうだ、せっかく夢なんだから、空でも翔んでみようか」
そう思ってベランダから裸足のままジャンプして、空を翔んでみた。

けっこう難しい。隣のマンションの屋上に足をかけ、蹴り上げてさらに高度を上げる。
だんだん慣れて、スイスイ翔べるようになった。これはなかなかおもしろい。
満月に照らされながら、気持ち良い風に吹かれて下界の街並みを見る。

「ずいぶん高いところまで来たなぁ・・・」

「オイ、キサマ、待て」
突然声がして、そっちを見た。
そいつは全身が真っ黒で、炎のように揺らめいており、輪郭ははっきりしなかったが、
コウモリのような形の巨大な翼を広げ、真っ赤に光る眼をこっちに向けてきた。いかにも恐ろしげな雰囲気で空中にいる。悪魔か死神がいるとしたらきっとこんな姿なんだろう。

「オマエ、なぜこんなところにいる・・・紐があるな。まだ死んではおらんようだ」

「えっ?・・・あの~夢なんです、コレ。ボクの夢」

「そうか。ならば二択だ。選ばせてやろう。このまま天国に行きたいか、それともベッドに戻りたいか。天国に行きたければ、その紐を切ってワシが案内してくれよう」

なんだかこのオッサン、怖い事を言う。ケンカしても勝てなさそうだし、ここは大人しく帰ることにしよう。「ベベベ、ベッドに戻らせてもらいま~~~す」

「ならば早く戻るが良い。良いか、たとえ夢とは言え二度と翔ぶことは許さぬぞ」
「も、もし・・・翔んだら?」
「即、死んでもらう」そう言って、そいつは巨大な鎌を振り下ろした。

「うわっっ!!」・・・ボクは目を覚ました。そこはベッドの上・・・と思ったが、見知らぬベッドの上だった。しかも全身に管がつながれ、包帯だらけだ。ボクの声を聞いて田舎にいるはずのボクの家族や、医療関係者が入ってくる。どうやらここは病院のベッドのようだ。

後から知った。ボクはあの夜、ねぼけてマンションベランダから飛び降りたらしい。
一命は取り留めたものの、全身に骨折や裂傷がある重傷だった。
ボクは改めて、夢の中ではもう翔びませんと誓ったのだった。

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コメント(2)
  • 酒飲みすぎて、記憶ないんだろ(*´∀`)。

    2024/03/19/10:23
  • 危険ドラック1D-LSDを摂取してマンションから飛び降りる例が多発っていうニュースやってた。

    2024/04/05/20:13

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