黒の夢

私が夢を見る時、結構カラフルなことが多い。
だいたい今住んでる家とか、実家の付近、祭りの風景だったりと結構華やか。

でも、過去に真っ暗というか真っ黒な夢を見たことがある。

その夢というのが、何となく実家の自室っぽいのだがもとより黒い布団とかはともかく、タンスやドアも壁も真っ黒なのだ。
自室を出ても真っ黒だし、窓から見える景色も真っ黒になっていた。なんとなく、電柱がどこら辺とかも覚えているのでそちらを見るとそれっぽい影が見えた。

家の中には家族もいなかった。
自分の姿も真っ黒で、まるで全部影になった世界のようだった。
外に出た後、黒一色で分からないのに自然と姉の嫁ぎ先や今の自宅、神社、お寺、母校など各地を歩いた。

勤め先の喫茶店にも行ったし、駅とかスーパーとか商店街も行ってみた。
結局、何を示すのか分からないまま町を歩いていたが

特にゴールらしいゴールのようなものも見つからない。
17時頃に、町の学校から流れるチャイムの音がしたので現在時刻だけはわかった。

変わり映えしない黒い町の中をただ歩いているといつしか実家に戻っていた。
何を考えるまでもなく、自室に戻った。

そういう夢が何度かあった。
夢を見る度歩く場所は変わっていく。ある日、スーパー付近の鉄塔までたどり着いた。
いくつもある鉄塔は全て錆びて赤くなった鉄塔だったが、夢の中では赤黒がった。

ぼーっと鉄塔達を眺めていると夢から覚めた。

後々、夢が気になり鉄塔の所まで行ったが何かある訳でもなかった。
これ以降、この夢は見ていない。