【蕎麦屋の幽霊事件】-事件記者 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
UFOとキャトルミューティレーション専門のオカルト雑誌
「月刊モー」編集部に、朽屋(クチヤ)瑠子(ルコ)という
フリーの事件記者が出入りしている。
女だてらにめっぽうオカルトに強く、日本中を飛び回っては、
今日も不思議な事件を追いかける。
・・・・・・
いったいどーゆー風の吹き回しか、編集長のヴィンセント三上が、今夜は蕎麦をおごってくれるという。さもありなん。自分が取材に行けと命令して朽屋を現場に派遣したら、なんと犯人と遭遇してアジサイ屋敷に連れこまれ、危うく殺されかけたのだ。
(※詳細は【アジサイ事件 -事件記者 朽屋瑠子-】を参照)
事情聴取のために警察署に呼ばれた朽屋を社用車で迎えに行き、その足で朽屋を晩飯に誘う。
「この近くに幽霊が出るって有名な屋台の蕎麦屋があるんだ。そこ行こう」
「えええ~~~」不満たらたらな朽屋であったが、一度言い出したら止められないデスクの性格を思い出し、諦めることにした。朽屋、本日2食目の蕎麦である。
・・・・・・
その蕎麦屋の屋台は、私鉄の少し大きめの駅のすぐ近くの路肩に、ぽつんとたたずんでいた。
「おじさん~やってる?」手の平だけでピロっと暖簾を返して朽屋が店主に問いかける。
(いっぺんコレやってみたかったんだ・・・)
「あいよ、うちはかけ蕎麦しかないけどいいかい?」
「じゃ、それで」と、三上。
「あい、かけふた丁~」
「おやじさん、噂で聞いたんだけどさ、ここの屋台、幽霊が出るんだって?」
「あちゃー、そんな噂になっちゃってるんですか? 客商売だってのになぁ~もう」
「でも出るんだ?」
「やっぱりねぇ、たまにお客さんの中でも霊感のある人がいてね、見えちゃう時があるらしいですわ」
「へぇ、いつ?どんなときに出て来るんですかね」
「なんだいお客さん、蕎麦より幽霊見に来たんですかい?・・・はい、かけお待ち~」
「はやっ!いただきます。・・・いやいやお蕎麦が旨いってのも聞いて、もちろん食べる方も楽しみに来たわけなんですよ、なぁ朽屋!」
「ふへ?・・・ふぁい・・・ほっへもおいひいへふ」
「おまえさんは、食べながらしゃべるんじゃないよ、はしたないな」
「もう、デスクも早く食べないと伸びちゃいますよ!!」怒る朽屋。
kamaです。いつも読んでいただきありがとうございます。
今回、朽屋瑠子シリーズ9作目は、珍しく前作【アジサイ事件】の続きとなりました。
【アジサイ事件】のコメント欄で、以前書いた蕎麦屋の話の解決編も読みたいというリクエストをいただきましたので、急遽、他のネタは後回しにしてこちらを書かせていたただ来ました。
いかがでしょうか。蕎麦屋の話、解決編でした。
また次回もよろしくお願いします。
いつもの恐さと違い、ハッピーエンドで良かった。ダンスを踊る瑠子がバズっている、その後の話も読んでみたい!
クッチャルコシリーズの大ファンです!瑠子ちゃん可愛すぎる。今回の話はほっこりする癒し系の話でしたね。次回作も期待してます。
↑kamaです。コメントありがとうございます。大ファン宣言うれしいですねー。きっと朽屋も大喜びしていることでしょう。
毎回涙誘う大変ええ話を投稿ありがとうございます。特に三上と朽屋のやり取りがこの話を引き立てて良いです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。ヴィンセント三上について今後朽屋とどのようにして出会ったかというお話も準備しようと思っている所です。いつか書こうと思いますのでお楽しみに。
朽屋瑠子シリーズはキャラたちが勝手にどんどん話を進めていくので書いてる自分も楽しいです。
ここで書くよりカクヨムとかに投稿したほうがいいんでない?