サタニック・メッセージ
投稿者:瑠璃ガキ (4)
娘の描いた絵本の話だ。
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目の前には見慣れた人たち。
教員や同期、みんな仲良く同じ顔をし、同じ姿をしている。
僕は昔から生きることに懐疑的な少年だった。
5歳の頃には既に、「僕は何で生まれてきたんだろう、死んでおけば良かったんじゃないか」という陰惨な考えを持っていた。
心中を誤魔化すために、小学校や中学校でははっちゃけて過ごしていた。
中学生の時、それが裏目に出て事件を起こしてしまった。
高校では自分を諫めるために、感情を押し殺して生活することを決めた。
それがしんどくなり、2年生の文化祭前に一度自殺を図ろうとしたことがある。
母親の実家がある滋賀県、琵琶湖の南湖で入水自殺をしようとした。
結局、飛び込むのが怖くなって母親に泣きながら電話し、未遂に終わった。
以来、衝動的に死にたくなることが増えていった。
医薬品のオーバードーズや腹に包丁を突き立てたりしたこともあった。
___20XX年。
僕は作曲家になりたくて、音楽学部・音楽学科がある大阪の大学に進学し、創○○○専攻に所属していた。
2回生になっても友達はできず、音楽のレベルも周りとの差が開くばかりであった。
僕は下手くそなアコースティックギターに無個性な歌声というシンプルなスタイルで演奏することが多い。没個性な人間の音楽はやはり没個性なのだ。
そんな中、応用実習の期末課題であるオリジナル楽曲の合評会が迫ってきていた。
「何か凄い音楽を作り出して認められたい、自分の価値を示したい。」
大学入学時から抱いていた邯鄲の夢、残酷なまでに乖離した現実。
それは次第に心の暗部に、重く鋭利で禍々しい何かを形成していった。
ある日、楽曲制作に行き詰まっていた僕は、「ChatG○T」という最近流行りのAIに相談をしていた。
その中に1つ興味をそそられる情報があった。
『サタニック・メッセージ(Stanic Messages)』
1980年代、悪魔的なメッセージを音楽に仕込むということがあった。
特にヘヴィメタルやロックの楽曲が対象とされていた。
タイトルカッコイイね。
将来有望な娘さんですね