ここって○○ですか?
投稿者:白と黒の旅人 (33)
土曜日辺り、すんごく天気が良かったので近くに川が流れてて、道路の向かい側におばあちゃん達が集まってて話してる集会所みたいなところがあって、私はその集会所の向かいのバス停付近で11時ぐらいからジュース飲んでぼーっとしてたら女性に「すいません、ここって○○ですか?」って聞かれた。○○の地名はなんとなく田舎っぽい感じがしたけど、こことは地名が違ったのでスマホで色々と調べてみた。
「いやぁ、ここは△△ってところなんで違いますね。道に迷いでもしましたか?」
「えぇ、そんなところです。」
やはりかと思い、肩からぶら下げたカバンの中にレシートと紙のアンケート答える時に渡される鉛筆みたいなのがあったのでそれでレシートの裏にバスの乗り継ぎと電車のこと書いて、紙を渡した。
その女性は紙を受け取るとお辞儀して「ありがとうございます」とお礼を言ってきた。
大体15分ぐらいでバスが来た。それまでは色々と地元のことを話していた。
それからバスが来て、その人は乗ってった。
気になったんで道路挟んで向こう側のおばあちゃん達に地名のこととか聞いたら「あぁ?そりゃ昔、この地域に疎開きた人達の主な出身でなかったかえ?家の親父がそんな名前のとこから来た子が家に泊まって帰ったとか言っとったわ。さして空襲もなく、割と人が食っていけたもんで当時にしちゃあ割と余裕あった見たいよ」(なお、本来この会話は方言結構あるのでだいたいの意味に揃えて書き直した)
との事。
「もしかしたら、向こうの神様がこっちの神様にお礼にでも言いに来て迷ったんじゃねぇかえ?だってワシら生まれてこの方86年、あんな綺麗なお嬢ちゃん見たことねぇべ。この辺りに疎開先の親族おるとしたらみんな知っとるもん。」
かくして、不思議な道案内?をした日は終わった。
もしかしたら疎開した後帰っていった人の子孫だったかもしれないし、まぁないと言うか変な言い方になるが感謝の念みたいなものが生霊みたいになってこっちに来たのかもしれない。
でも、比較的最近なのにやっぱりその人が女性ってことしか覚えてないし何者なんだったろうか。
地名って、油断してるとコロコロ変わるよね。
本当に変わるみたいですねぇ。かく言う私のところも名前が合併とかで変わったところですので生きている方にしろなんにしろ、本当にこの地に縁ある存在なのか……。霊的なものには縁ってものはかなり大事みたいで「見たな!お前とも縁ができた!憑いてくぞ!」は本当にあるらしいですby作者