時給五万円のバイト
投稿者:ねこじろう (147)
昼間の学食(学生食堂)は学生たちで賑わっていた。
「あ~あ、どっか楽で儲かるバイトないかなあ」
いつもの350円のランチを食べながら俺がぼやくと、正面に座って素うどんをすする同じ学部の佐伯が「あるけど」と一言言い、ちょっと意味ありげな含み笑いをする。
俺は湯飲みの麦茶を一気に飲み干すと、
「おいそれ、いったいどんなバイトなんだ?」
と佐伯の顔を覗きこんだ。
彼は素うどんの汁を全部飲み干し、
「この間、長期絶賛留年中の『おやっさん』から紹介されたんだけどさあ、今週の日曜なんだけど、俺その日は野暮用があってさあ、行けないんだ。
内容は、ただ簡単な受け答えをするだけで5万円。
しかも送り迎え付きで、実働は僅か1時間ほどらしい」
と言って得意げな顔をする。
「おい、マジかよ。
そのバイト最強じゃん。
なあ、紹介してくれよ~。
俺、今月マジで金欠なんだよ」
と言って正面の佐伯に拝むと、彼は最後にこう言った。
「紹介してやってもいいけど、お前、絶対に他の奴に言うなよ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ということで俺は、その週の日曜日、佐伯の紹介するバイトに行くため、彼の指定した場所に立っていた。
指定場所、、それは大学からすぐ近くの駅の西口だった。
午後6時に黒のワゴン車で迎えに来るから、後は先方の言う通りにすれば良いということだった。
ポロシャツにジーパンという軽装で駅ロータリー前に立っていると、ハザードを点滅させながら、目の前に黒のワゴン車が停車した。
見ていると、助手席側のドアが開き、中から白ワイシャツに黒のスラックス姿の細身の男が出てきた。
俺の方に近づき「相原さんですか?」と名前を尋ねてきたので、「はい」と答えると、
「どうも初めまして、わたくし、寺地と申します」と頭を下げ「さあ、こちらへどうぞ」と車の方に誘導する。
俺は言われる通り、開かれた後部ドアから車内に乗り込む。
6人乗りの車内には、俺と、その前には運転手、そして隣に、さっきの寺地という男が座った。
すると寺地が後ろを振り向くと、
「あの、大変申し訳ないのですが、このアイマスクを付けていただけないでしょうか?」
と言って、一枚の黒いアイマスクを俺に手渡す。
本当の話なら事件だよね。
最後のニュース報道は無い方がより不気味で良かったな。
話に引き込まれた。けど後半、リアリティを出す為の報道だったのかもだけど、アナウンサーが現実では言わないような細かな事まで伝え過ぎてて逆にリアリティ欠如してしまったのが残念。。
途中までめちゃくちゃよかった。
ラストで一気に作り話感が増した
ネコジロウはねこが名字なんですか?
ね が名字なんですか?
↑
「ねこじろ」が名字で、
「う」が名前です(笑)
From ねこじろう
こんなバイト、やりたーい!