あまりに夜泣きがうるさくて
投稿者:ぴ (414)
あまりに夜泣きがうるさくて、その日私は目を覚ましました。
目覚めると時刻は深夜2時を回ったくらいで、あまりの眠さに苛立ちを感じるほどでした。
眠ってさほど経たずに起こされてしまったので、とても機嫌が悪かったです。
イラっとして壁をじろっと睨むと私はもう一度頭まですっぽりと布団を被りなおし、なるべく泣き声が聞こえないように耳を押さえました。
夜泣きの主は隣の家に引っ越してきた赤ちゃんでした。
一か月ほど前に隣に引っ越してきた若い夫婦がいて、その子供がよく夜泣きをするのです。
私はこのせいで、連日ずっと寝不足のイライラと戦っており、我慢の限界を迎えていました。
うちのアパートは壁が特別薄っぺらいというわけではなかったのですが、防音設備などはなく、普通のアパートと同じくらいの防音防御力しかなかったです。
だから子供の泣き声などはかなりの睡眠妨害で、睡眠時間を削り取られました。
慣れれば大丈夫と最初は気楽に思っていたのですが、隣室の子供が本当に厄介なくらいによく泣くのです。
そのせいで数時間泣きどおしということもあり、数時間夜泣きを我慢しないといけないという地獄のような時間が続きました。
そうして私は会社の人に気遣われるくらいに真っ青な隈を作ってしまったのです。
これには滅多に人を心配しない同僚さえも声をかけてくれるくらい酷い隈と顔色になっていました。
隣に住み始めたのはまだ若い夫婦だったし、何度か直接注意しようとしたのです。
しかし、そういう日に限って夫婦が留守にしていたり、急いで慌ただしく出ていってしまったりして、呼び止めることができませんでした。
本当にこの夜泣きが苦痛で、夜にこっちが泣きそうになったこともあります。
あまりに酷いので、アパートの管理者にまで連絡しました。
これでどうにか問題を解決してくれるだろうと思っていたのです。
しかし、どんなに待っても事態が解決せずに、私はイライラの限界を迎えようとしていました。
だからこの日、眠ったばかりなのに2時に夜泣きで叩き起こされてしまったことでぷっつんと来てしまったのでしょう。
しばらくは布団を被って我慢したのですが、我慢の限界でした。
だから私はおもむろに寝室で上着を羽織り、そのまま玄関に向かいました。
そして隣の家の戸を叩いたのです。
ちょっと強めにどんどん叩きました。
しばらく寒い中待っていると、玄関が開きました。
そして中からげっそりとやせ細った女性が出てきたのです。
昼間見たときは綺麗に化粧をしていて、すごく若く見えました。
しかし実際にスッピンをよく見てみるとげっそり疲れ果てた顔です。
その女性が私に「何ですか?」とおろおろとした顔で聞いてきたのです。
何ですかも何も夜泣きがうるさいんですと私は言ったと思います。
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